「おくりびと」

やっと映画「おくりびと」を見て来た。
企画発案した主演:本木雅弘は、20代のころ「納棺夫日記」(青木 新門 著)を繰り返し読んだという。私は一度読んだだけで売ってしまった…。

「納棺師」という職業があるのを知らなかったのは私だけではないと思う。
私自身が北海道の実家で出した母や祖母の葬儀では、納棺は葬儀屋さんが手がけていた。私も清拭や身支度を手伝ったけど、映画のような厳粛さはなくて、不慣れな作業(作業って感じなんだ)にどうしたらいいか皆がオタオタしている中で事が終わったように思う。
 映画ではちがう。
「これより納棺の儀を執り行わせていただきます」「よろしくお願いします」という会話が交わされ、納棺師が流れるような美しい手さばきで、「ご遺体がじかにご遺族の目に触れないように」、ふとんや衣装をかぶせたままスルスル〜っと着替えさせ、丁寧に死化粧を施す。
ケレン味さえにじむ本木雅弘の鮮やかな手つきは、指導した『納棺協会』からお墨付きが出るほどの腕前だ。

『納棺協会』なんてホントにあるの?と検索してみてビックリ!なんと、北海道で生まれた新しい企業らしい!次の機会にはあの厳かな着替えに臨席できるんだろうか?

この映画では、私が期待していたような古風な儀礼や早ダンゴなどのシーンはほとんどなかった。後半ちらっと写る野辺の葬列に、写真でしか見たことがなかった「傘」があったことが印象に残るくらいだ。撮影に古い建物がいくつも使われていたこととはリンクしていなかった。
また、映画評の1つに「主人公はチェリストでなくても良いのでは」という文があったがこれは鈍い。セロ弾きのゴーシュがイメージされていることは明らかだし、市民オーケストラのオーナーがたった一言「解散、します」と言う箇所にも、賢治の影響がうかがえる。ゴーシュを意識したアイデアは本木雅弘だろうか?ロケの間も、夜ホテルの屋上でチェロを練習していたという彼は、この作品に愛着と手応えを感じているに違いない。
しかし山崎努はうまく演じた。フグの白子ってそんなに美味いんですか?食べてみたいなぁ。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-12-17 15:43 | 儀礼・習俗 | Comments(0)

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