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古典の認知度

 ふるさと岩手の芸能を観るときに、「もうちょい自分に古典の知識があればもっと楽しめるんだろうなあ」と思うことがよくあります。いや、芸能に限らずお祭りや伝統的なアートなど全般に言えることかもしれませんが。
 上演されているもののストーリー、用いられている古歌、引用されている語句の背景など。絵画・人形などでも同様のことを感じるわけです。
 ゆえに「もっと勉強しなければ」ということも思います。しかし皆がみんな古典の勉強を必死こいてやらなければ伝統的な娯楽・芸術を楽しめないかというと、そういうわけでもないと思います。冊子やblogを通していろいろと解説めいたことをお話させていただく機会をいただいておりますが、「解説書をうつむいて見ながら舞台を観る」というような光景ばかりになってもつまんないなあ、と感じます。
 そもそも、北東北で芸能が急速に広まりだしたであろう300年~200年ぐらい前の時代でも、庶民レベルでの古典の認知度ってどんなもんだったんでしょう。案外「よくわかんないけど楽しい」っていう庶民が多かったんじゃないかなあ、と思ったり。
 いや、でも「庶民」といっても色々だしな。「古典」といっても色々だしな。広まりだしたのは「300年~200年ぐらい前」じゃなかったかもな。…などなど、いまいち論点が定まらないのですが、まあ、「芸能の受容のされかた」というのを考えることも大事だと思うんです。
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 花巻市大迫町川若組の2005年の山車。自分にもわかる演題だったので印象に残ったのですが、例えば歌舞伎十八番なども昔はどのぐらい認知されていたのでしょう。200年前にはまだ無かったろうけど。

 by げんぞう

by torira | 2008-04-12 22:08 | 意匠 | Comments(0)

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