相模の米神で祭を見る
2013年 05月 23日
昨年秋に小田原市米神を初めて訪れたのは、わが山田町の山田八幡宮に掲げられている大漁記念絵馬に「相模米神」という地名があったことがきっかけです。
米神には山田八幡宮にあったのとそっくりな絵馬があり、山田の絵馬より2年古い、昭和14(1939)年の日付けが入っていました。
山田八幡宮の絵馬 米神八幡神社の絵馬
絵馬の奉納は米神のお祭りに合わせて行われたらしいとわかり、宵宮には鹿島踊りという芸能もあると聞いて、今年のお祭りをたずねてみたのでした。
鹿島踊りはその名の通り、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮が発祥とされていますが、茨城県だけではなく千葉県、東京都、神奈川県、静岡県の海沿いの町に数多く伝えられている民俗芸能です。
今回見た宵宮では、鹿島踊りはまずお寺に奉納に行き(お寺を通じて鹿島踊りが伝えられたと言われている)、米神八幡神社で踊り、最後には浜近くに立てられた祭幡のまわりで踊りました。
鹿島踊りは、唄を中心とする念仏踊りのにおいのする古風な芸能でした。
今年の鹿島踊りでは、昨年お世話になった「のうかつ小田原」のMさんが太鼓です。色紙がたくさん飾り付けられています。
浴衣の上に紋付きの羽織を着て金色の幣束を持つ50才以上の方たちは「大頭(おおがしら)」と呼ばれ、鹿島踊りの責任者です。さらに年長の方々がおられて唄をかけていました。
Mさんが子供の頃には子ども達ももっとたくさんいて、にぎやかに踊ったそうです。
始めは輪踊りで、中心となるのは平たい太鼓と鉦(念仏剣舞の手打ち鉦と同じ物)2名ずつ。
そのまわりを大人と子ども達が、左手に幣束・右手に扇を持って踊ります。
大人は、子孫繁栄を祈る男女の採物を持つ役もあります。
男性の象徴はハンマーの形で金銀の紙吹雪が入っていて、これを振って種を散らすところなど日本のどこかに同じようなものがありますね。 女性のは円盤状。 ほかにも何やら不思議なものがありましたっけ。
後半列踊りになる合図は、「天竺が来たぞ〜」という掛け声だとうかがってビックリ!この掛け声で〝天竺に行く〟のだそうです!
鹿島踊りには弥勒踊りという芸能との混淆が見られるといわれていますが、「天竺」が出て来るあたりがそれでしょうか。
月の下で柱を囲んで踊るさまにも、なんとなく南方のにおいがします。
海のすぐそばの小さな集落で行われる、ほのぼのとした宵宮の雰囲気に魅了されていました。
米神の海=相模湾に面する横須賀や伊豆には虎舞があります。しかし鹿島踊りは岩手には伝わっていない芸能です。
では山田町と米神との共通点は絵馬以外にないのか?
関係があるかどうかは証明できませんが、お祭りの構成はよく似ています。
宵宮に芸能を奉納し、本祭は神輿を担いで集落を歩き、海に入ってお潮垢離(しおごり)を取るという米神の祭は、山田町内各地のお祭りを始め大槌町などとも共通していませんか?
そしてお祭りの脇にはこんな看板があったりします。
津波の話はまた改めて。
by.事務局MA
米神には山田八幡宮にあったのとそっくりな絵馬があり、山田の絵馬より2年古い、昭和14(1939)年の日付けが入っていました。
絵馬の奉納は米神のお祭りに合わせて行われたらしいとわかり、宵宮には鹿島踊りという芸能もあると聞いて、今年のお祭りをたずねてみたのでした。
鹿島踊りはその名の通り、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮が発祥とされていますが、茨城県だけではなく千葉県、東京都、神奈川県、静岡県の海沿いの町に数多く伝えられている民俗芸能です。
今回見た宵宮では、鹿島踊りはまずお寺に奉納に行き(お寺を通じて鹿島踊りが伝えられたと言われている)、米神八幡神社で踊り、最後には浜近くに立てられた祭幡のまわりで踊りました。
鹿島踊りは、唄を中心とする念仏踊りのにおいのする古風な芸能でした。
今年の鹿島踊りでは、昨年お世話になった「のうかつ小田原」のMさんが太鼓です。色紙がたくさん飾り付けられています。
浴衣の上に紋付きの羽織を着て金色の幣束を持つ50才以上の方たちは「大頭(おおがしら)」と呼ばれ、鹿島踊りの責任者です。さらに年長の方々がおられて唄をかけていました。
Mさんが子供の頃には子ども達ももっとたくさんいて、にぎやかに踊ったそうです。
始めは輪踊りで、中心となるのは平たい太鼓と鉦(念仏剣舞の手打ち鉦と同じ物)2名ずつ。
そのまわりを大人と子ども達が、左手に幣束・右手に扇を持って踊ります。
大人は、子孫繁栄を祈る男女の採物を持つ役もあります。
男性の象徴はハンマーの形で金銀の紙吹雪が入っていて、これを振って種を散らすところなど日本のどこかに同じようなものがありますね。
後半列踊りになる合図は、「天竺が来たぞ〜」という掛け声だとうかがってビックリ!この掛け声で〝天竺に行く〟のだそうです!
鹿島踊りには弥勒踊りという芸能との混淆が見られるといわれていますが、「天竺」が出て来るあたりがそれでしょうか。
月の下で柱を囲んで踊るさまにも、なんとなく南方のにおいがします。
海のすぐそばの小さな集落で行われる、ほのぼのとした宵宮の雰囲気に魅了されていました。
米神の海=相模湾に面する横須賀や伊豆には虎舞があります。しかし鹿島踊りは岩手には伝わっていない芸能です。
では山田町と米神との共通点は絵馬以外にないのか?
関係があるかどうかは証明できませんが、お祭りの構成はよく似ています。
宵宮に芸能を奉納し、本祭は神輿を担いで集落を歩き、海に入ってお潮垢離(しおごり)を取るという米神の祭は、山田町内各地のお祭りを始め大槌町などとも共通していませんか?
そしてお祭りの脇にはこんな看板があったりします。
津波の話はまた改めて。
by.事務局MA
by torira | 2013-05-23 23:36 | 芸能 | Comments(3)
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阿部武司
at 2013-05-24 08:59
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良い祭見に行ってきましたね!焼けるな!是非動画でも見てみたい祭ですね。
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事務局MA
at 2013-05-24 10:29
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阿部さんにヤキモチを妬いて頂けるとは光栄な(^-^)
家族旅行でしたので、ビデオは持参しませんでした。
すぐとなりの集落でも7月に鹿島踊りのある祭が予定されていますよ。
小田原市根府川 - 寺山神社(7月第3日曜日)寺山神社の鹿島踊り<神奈川県指定無形民俗文化財>
家族旅行でしたので、ビデオは持参しませんでした。
すぐとなりの集落でも7月に鹿島踊りのある祭が予定されていますよ。
小田原市根府川 - 寺山神社(7月第3日曜日)寺山神社の鹿島踊り<神奈川県指定無形民俗文化財>
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阿部武司
at 2013-05-24 19:04
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鹿島踊りでYOUTUBEなど観ると流し踊り風なのばかりで米神の様なユニークさが無いですね。寺山だけ観に行くのも勇気が入りますね。