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ツツ

 花巻市大沢の「かせ踊り」は、「ツツ」を持って踊ります(リーダー格らしき1名だけは、代わりに太刀を手にします)。

この「ツツ」、ぱっと見は念仏剣舞の「フクベ」や、遠野のシシ踊りの「たねふくべ」に似ています。
そういえば盛岡周辺の「七夕」でも同様のものを持っています。
そして踊り方も、列で踊る演目は「七夕」に似ています。
盛岡周辺の田植踊でおこなわれる「中踊り」に通じる雰囲気の踊りです。
どれが元かはわかりませんが、踊りの雰囲気や道具にはいずれも似たものを感じます。
ツツ_f0147037_2153275.jpg

一方で「かせ踊り」という名前にこだわってみると、また印象が変わってきます。
なんといっても、正月の訪問芸や門打ち行事として全国で行われている「カセギドリ」を連想します。
そういう目で見ると、「ツツ」から出ているヒモは、同じく正月の訪問芸である「春駒」を思わせるものがあります。たとえば「かねぴん」という演目は、ヒモの扱い方や踊りの雰囲気がいかにも馬っぽい。

以上のような二面性が、「かせ踊り」にはあるように思います。


花巻のかせ踊りは田植踊りとイコールではありません。
が、岩手県の田植踊りがどのようにしてできあがってきたかを考える上では、このかせ踊りの二面性がポイントとなるような気がします。
興味をもたれた方は、冊子「とりら」第4号掲載の「田植踊とコメ作り」もぜひご覧下さい。

で、かねぴんってなんだ。

  by げんぞう

by torira | 2012-02-15 21:05 | 意匠 | Comments(0)

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