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町内会と祭・行事

昨日、げんぞうさんが書かれた内容は面白かったですね。
 
「かつては盆・正月、いずれもムラの組織≒親族組織でおこなわれていた。
ところがムラの組織と親族組織が分かれる中で、盆と小正月を担う行事の主体も分かれていった。
特に生産組織としての親族組織がなくなる中で、生産組織ではない自治組織が小正月行事を担うことになった。
→現在では、小正月行事は公民館など地域の自治組織で盛んにおこなわれている。
お盆は引き続き親族のあいだでおこなわれている」
・・という指摘が「なるほど~」です。

私が住む地域の町内会は、このところとみに祭行事を熱心に行うようになってきました。
以前は誰も来なかった小さなお宮の秋祭りは、まず子供会を巻き込んで手づくりの子ども御輿が出るようになり、さんさ踊りや餅まきも行われるようになり、やがてちゃんとした御神輿を購入しました。2ヶ月も前から町内のあちこちにやたらと幡が立てられて、ちょっと恥ずかしい。
小さなプレハブ小屋を建てて「社務所」の看板をかけ、オヤジ達のたまり場が出来ると、元旦祭やどんと祭も行うようになりました。
次はきっと神楽奉納だな、依頼が来るかも、と内心ドキドキしていましたが、方向はそっちじゃなく「次は山車を作ろう」ということらしいです。
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こちらは今年のどんと祭。女性は輪に入らず(入れない雰囲気の)オトコの世界となっております。

陸前高田市高田町の川原祭組は、震災を受けて「町内会は解散しましたが、祭組は残しました」と、8月には七夕まつりを、1月には悪魔祓いを行いました。
町内会と祭・行事_f0147037_20214074.jpg
先日「母体となる町内会組織がなくなったのに祭組がある、というのはどういう事になるのでしょうか?」と伺ったところ、
「町内会は〝体〟で、祭組は〝気持ち〟」
というお答えを頂きました。つまり町内という地縁を越え、祭そのものでつながる組織になるのでしょうか。となると講とか連とか、あるいはサークルに近いものに生まれ変わるのでしょうか。

大船渡市大船渡町の明土権現を担う方も、「町内会は解散したが権現様は残すことにした」とおっしゃっていました。
「津波の被害を受けて住民は別の場所に移ってしまい、ほとんど誰も残っていない。来年の悪魔祓いや3年後の五年祭のときには、新しく開いている商店の皆さんに協力をお願いしようかと」考えているそうです。
ここでは新しい地縁を得て行事と芸能を復活させようとしているわけです。

どうなるのか簡単には予想がつきません。
安易に言葉を重ねるより黙って成り行きをみていきたいと思います。

by.事務局MA

by torira | 2012-01-25 20:31 | 東日本大震災 | Comments(2)

Commented by 千田 麗 at 2012-01-28 14:11 x
川原は山車もシートに包まれてしっかり保管されている印象でした。復活にかける意気込みが感じられます。
Commented by 事務局MA at 2012-01-31 22:12 x
千田様、コメントありがとうございます。
川原祭組は、今年は「うごく」七夕は出来ませんでしたが、独自の形の七夕祭りをされました。ご本人たちの熱い気持ちを一緒に応援して行きましょう。

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