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あたん。

 田んぼに穴があいています。
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 東日本大震災の影響で岩手県南内陸部でも農地被害が数多く出ているのですが、ここ奥州市江刺区藤里では、亜炭(あたん)の廃坑による陥没が多発しています。
 亜炭は戦中から戦後まもなくにかけて、かなりあちこちで採掘されていました。当時はどこでも燃料が不足していました。山の木もだいぶ切ってしまい、あまり燃やすものがありません。そこで使われたのが「亜炭」です。
 藤里のあたりでは、斜面から直接ヨコに掘っていきます。鉱脈は40cmか50cmぐらいの厚さ。その周囲の土をよけた後、ノコギリで切り出していきます。やわらかいんですよ。石炭なんかと違って。ただ、水を含んでいるのでかなり重い。それをトロッコに乗せて運び出す。とにかく体力勝負でした。
 切り出した後は、しばらく日陰干しにしておきます。すると、水分が抜けてずいぶん軽くなります。これを、まとめ役の人が売りにいくんです。オート三輪に乗って、岩谷堂とか羽田とかの町に。
 風呂の釜に使っていましたね。「鉄砲釜」っていう、脇に釜がついた風呂です。亜炭はブスブス・・・と、ゆっくり燃えるもんだから、ちょうど風呂には良かったんです。

 まあ、いまの若い人たちに言ってもわかんないでしょうけど。
 by げんぞう

by torira | 2011-04-19 18:57 | 昔のくらし | Comments(0)

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