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岩手の田植習俗

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今日は盛岡市都南地区の小学校で田植えが行われました。植えたのはヒメノモチです。地元に伝承される田植踊りの代表の方やそのご近所の方々が、指導したり補植したりして面倒をみてくれます。
始まってすぐ先生が「植える前にちゃんと拝みましたか〜!?」と叫んでおられました。
なんと感心なセンセイじゃ、と思ってうちに帰ってから「岩手の田植習俗」(小形信夫著/昭和37年)を開いてみると、結いで田植をする朝には、早乙女たちが集まってきたら臼の上に用意していた三ばの苗に小豆のおにぎりをそなえて全員で拝んで、田植にかかるとあります。なるほどー!

田植えを手伝っている奥様たちに「やーっぱり今年の6年生もダメだ。ふざけてちゃんと植えてない」と笑われている方をみると、小学生がいつの間にか「カールおじさん」になっていました。
いやいやこれも儀礼のうち。泥田ですもうを取る神事とかってのも他県にはあるよね。

 by.事務局MA

by torira | 2009-05-15 18:21 | 儀礼・習俗 | Comments(2)

Commented by kawa-usso at 2009-05-15 19:57
先史時代、天体と波だけを頼りに数千kmを旅したようなカヌーを建造する時には、木によ〜く言い聞かせてから伐り倒さなくてはならなかったみたいです。立ち木としての生命を悔いなく終え、良い船になるようにと。
母方の祖母は母に、「井戸へいきなり釣瓶を落とすと、井戸の神様がびっくりする。ぱん、ぱん、と拝んでから釣瓶を落とせ」と教えたそうです。
人の力が及ばない何かが存在することを疑わず、それを敬う。
ある種の諦観、謙虚を、芸能を含むかつての暮らしは守っていますよね〜。
Commented by 事務局MA at 2009-05-17 12:50
船じゃなくても山の木を切る時にはいちいち山の神にごあいさつをするだけでなく、ところによっては神楽が「山の神」になると舞手にコメをかけたり拝んだりして礼をする場面を見ることがあります。
今日は日曜だというのに朝から雨。夜はもっとひどくなる予報。運動会を予定していた小中学校の子どもたちはもとより、センセイ達も「天の神に祈るお天気会での飲み方が足りなかったか?」とがっかりしてるに違いない。

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