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負けない神楽

今日は秋田県大仙市大曲市民会館で行われた「北海道・東北ブロック民俗芸能大会」を見て来ました。
個人的にも長い間お世話になって来た滝沢村の篠木神楽が県指定になり、この大会へ出演する資格を得て初の県外公演です!
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その篠木神楽の幕が上がったとき、「多くのご支援を頂きありがとうございます。岩手は震災に負けません」という横断幕が張られているのが眼に入りました。
そうでした、いち早く私に「沿岸の方たちに届けてね」と物資を持って来て下さったのは、秋田県の民俗芸能関係の方でした。後から義捐金も頂いたのです。秋田の皆さん&それを改めて思い出させて下さった篠木神楽の皆さんありがとうございます。「獅子舞」の大熱演はとても好評でした。

今回の会場のロビーには、全日本郷土芸能協会による「郷土芸能復興支援プロジェクト」の一環として、被災した芸能関係のパネル展示と募金箱が置かれていました。
その脇で私がとりらの募金呼び掛けチラシを配っているときに話しかけてこられた女性は、雄勝法印神楽のご家族でした。
震災以来秋田県に住んでおられるそうで、「秋田で雄勝の神楽が見られるとは思わなかった。帰りたくても帰るところがないもの、今日はうれしい」と涙ぐんでいらっしゃいました。

ご存じの方も多いと思いますが、雄勝法印神楽の方々は奉納神社ごと流されてしまうという絶望的な状況にも負けず、各地からの支援を受けながら少しずつ体制を整える日々です。
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「宝剣納め」は、鬼女を討ち取ってめでたしめでたしとなり、現実ではなかなか敵を見定めることの難しい私たちの気持ちをスッキリさせてくれる人気演目です。しかし震災一つに終わらない今の敵をどうやって対象化していったらいいでしょうか。

来年の「北海道・東北ブロック民俗芸能大会」は10月28日に山形県で行われるというアナウンスがありました。もう来年のことを考える時期に来てるんですね。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-30 23:14 | 催しもの | Comments(0)

虎頭の復活を試みる

横浜能楽堂で行われたチャリティ公演。その収益による援助の1つとして、流失した山田町の大浦虎舞の虎頭が復元されようとしています。

岩手の虎舞の頭の多くは紙を貼る張り子で作られますが、この大浦虎舞をはじめ、同じ山田町大沢や釜石市の片岸などの虎舞では木製の虎頭が使われているそうです。
かつて頭を製作したのがどこの誰だったのか不明のため、今回はチャリティ公演の実行委員でもある能面師:岩崎久人さんのご尽力を仰ぐことになりました。虎舞と能面師の出会いです。
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昔使われていた頭が残っていたので、それを参考に虎頭の構造や材質などを検分しています。どうやら桐が使われているらしい。ヒゲは今と違って白馬の毛。
大浦の虎頭はわりと平べったい。そして見慣れている虎頭と違い、口が開閉します。
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岩手町のお祭りで見かけた虎は口が開きましたが、軽米の虎舞はどうだったかな〜?
青森県八戸市の虎舞はすごい歯並びで迫ってきます。宮城県の新井田の虎舞はお囃子が優雅です。
あ、愛知県東海市にも虎舞があるんですね。昭和ン年代に釜石市出身の方が移転先で始めたとある。
わ、youtubeで検索したら四国にも山梨にもある!長野では狐踊りとセットになってる!虎舞って全国区の芸能だったって、知りませんでした〜。
「虎は千里行って千里帰る」というそうですからどこにあっても不思議はないのかもしれません。

「板子一枚下は地獄」という危険な仕事をする漁師さんには、「千里行って千里帰る」虎が命を守ってくれるシンボルなので虎舞が大事にされる、というお話をこの間あちこちでうかがいました。

大浦のお祭りは3年に一度。再来年がその年になりますが、主産業である漁業がその時までにどの程度回復しているか、住民の方たちがどのような気持ちになっていらっしゃるか、今は予想がつきません。
でもいつかの復活に向け、虎頭や衣裳などを整えて待つ気持ちは希望につながりますね。多少なりともお手伝いに関われてうれしいです。

<追記>
その後、虎頭は立派に出来上がり、お祭りで大活躍しました。
大浦虎舞の方に書いて頂いたレポートが「とりら」8号(500円)で読めます。
ご希望の方はtoriratorira@yahoo.co.jp 宛にお申し込みください。


 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-29 20:41 | 東日本大震災 | Comments(0)

美味いご飯を食べよう

石巻在住のコメ農家兼フリーライターである、自称NB(猫バカ)さんから新米を頂きました。100%ササニシキです。
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個人的に調査機関に依頼して精密検査を受けた結果、心配されたセシウムさんは「不検出」のお墨付きとなりました。

ササニシキの新米は、さわやかな味がします。米に「さわやか」は似合わない気もしますが、輝く米の1粒1粒の味わいが、なんだかきれいな水を飲んだときのような気持ちにしてくれるのです。
今年の石巻はご存じのように震災で大きく痛めつけられました。
津波に襲われたお住まい、田んぼは塩害の心配に加えて原発の影響、そしてTPP参加の問題と、不安要素がてんこ盛りな中で作られた大事なお米です。それを自ら運んでくださった米農家のNBさんに乾杯したい!加えて彼のブログで石巻の海の苦悩も知ってほしい。

民俗芸能好きにとっても今は大事な時です。
これまでも「コメ作っててはメシが食えない」という冗談のような会話が交わされて来ましたが、いまTPP参加が決まれば「おらほで作った米」というものが成り立たくなり、つまるところ「おらほの神楽」が消える結果になります。
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このあたりについては、管理人げんぞうさんが「みちのく芸能ごよみ」の掲示板に「TPPと岩手の民俗芸能」と題して詳しく解説して下さっていますのでぜひご一読ください。ちょっと怖いお話ですが知っておくべきことでしょう。

私が時々思い返す「国譲り神話」と呼ばれる神話があります。高天原の神々が出雲の国に「国をよこせ」と迫り、最後には武力で脅して支配権を得るという話です。
出雲の神である大国主は「おとなしく国を譲るか戦争したいか?」と脅され、「息子の(ということになっているが託宣の神とも言われる)事代主に聞いてくれ」といい、これを受けて事代主は「了解した」と返事して入水した、というエピソードです。
流血の事態になるよりは、と主権を譲渡した気持ちはいかばかりだったろうか、と、青柴垣神事のお祭りからその場面を想像するのです。

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事代主は恵比須神と同一視され、ことに沿岸では海幸を呼ぶ恵比寿舞が喜ばれます。
あー新米とカキフライ、阿房宮の酢の物、芋の子汁なんてメニューがいいな!

 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-27 22:15 | お役立ち情報 | Comments(3)

飲むひと

お祭りにはお神酒がつきもの。
ちかごろは、帰りに運転を控えているためにご遠慮する方も多いでしょう。

そのせいか、一手に引き受けて次々につがれてしまう人というのがいます。
たいてい、
「じゃあ、この一杯をあけたらお暇を」
とか言って退散しようとするものです。
しかし、コップの残りの酒が少なくなると
「コップ空いてるよ。もう帰る?じゃあ、少しだけ」
と迫られ、結局またなみなみとつがれてしまう。
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うちの次女も、すすめられると断れないクチのようです。
 by げんぞう
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by torira | 2011-10-25 20:44 | お役立ち情報 | Comments(3)

二戸で買えたカゴ

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二戸市のなにゃーとで買った同市石切所の泉山正男さんによる手カゴ。
リンゴの産地で育った50代以上の方ならきっと見覚えがあると思う。

これの2まわり大きいやつにセロファンと産地のラベルを貼ったお土産用リンゴのパッケージをよく見たっけ。高価な物ではなく、出来も弱いので使った後は捨ててしまっていたけど、最近よく思い出して「あれだけ手のかかった細工物が身の回りに普通にあるとはなんと贅沢な生活だったろう」と考えていた矢先です。ぐうぜん見つけて小踊りしてしまった。

帰りの電車の中、席が空いているのをいいことに、買ってきたトマトを詰めて撮影しました。
自分でも編めないかとじっと見ましたが、これは一見易しそうで手強いぞ。
たった250円でこんなに幸せにしてくれる手仕事がまだあることがうれしい。

けど、IGRの午後の便は席が空きすぎ。お願いだから廃線にならないでね〜〜。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-24 21:18 | 意匠 | Comments(0)

北沿岸の太鼓

県北の被害で気になっていたのは、盆踊りの太鼓が流されてるのでは?という事でしたが、なかなか実態をつかむ機会がありませんでした。

今日は二戸駅西口で行われた「トリコロール復興支援フェスタinなにゃーと」の「北東北なにゃとやらフェスティバル」に行って来ました。
そこで久慈の「備前太鼓」さんに、とりら募金を差し上げ、お話を伺う事が出来ました。備前太鼓さんは創作太鼓となにゃとやらを演じる団体です。
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代表の方は久慈市で太鼓店を営んでいらっしゃいましたが、3月11日の津波で、大太鼓や鋲太鼓などもふくめ60個もあった太鼓は、保管&練習の場所にしていた建物ごとキレイさっぱり皆流されてしまったそうです。

「探したけど六尺太鼓が1つ見つかったきり。みんなどこへ行ったんだかね〜」と苦笑いする太鼓店の御主人です。
「じゃ、今日皆さんが使ってる太鼓はどうやって?」と尋ねると、各自が家に持っている太鼓がそれなりにあり、大きさはバラバラだけど持ち寄ってステージに立ちました、とのことです。
「久慈市は被害が小さかった分、支援が来るのも遅いんだ」ともおっしゃっています。

「大川目太鼓」さんと「ふだい盆踊り保存会」さんにも募金からお花を差し上げました。大川目はさしたる被害はなかったそうですが「停電が続いて冷蔵庫のもんが皆腐ってしまって大変だった」と魚屋さんである代表の方がおっしゃっていました。

ふだい(普代村)盆踊りの代表の方にのし袋を差し出したら満面の笑顔になり、大きな声で全員に紹介してくださいました。ありがとうございます。
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「普代は防潮堤のおかげで助かったからね」というのでホッとしていると「船は全部流されたけどね、ワハハ」と続いたのでドッキリしてしまいました。
(久慈琥珀太鼓さんごめんなさい。事前のチェックが甘くてお見舞いが足りなくなってしまったのです。すみません機会を改めてお見舞いします!)

今日はナニャドヤラ研究家のTさんもいらしていたのですが、彼のご実家の話などと合わせると、どうやら北沿岸のナニャトヤラ圏では「一家に一台マイ太鼓」を備えてるみたいです。知らなかった!
今日は久しぶりに田子町の華麗なるナニャを楽しむ事が出来ました。そしてTさんイチ押しの新郷村の古風なナニャが良かった。

 by.事務局MA
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田子町の方の指なが〜い
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by torira | 2011-10-23 23:23 | 東日本大震災 | Comments(0)

求む!さんさ踊りの中古太鼓

さんさの古い太鼓、募集します!!

盛岡市桜山神社の人気ゆるキャラ殿様「なんぶくん」制作で有名?な権禰宜Sさんから太鼓の相談を受けました。
Sさんは山田町のご出身で、実家は八幡大神楽を背負っていらっしゃることから芸能関係に知人友人をたくさんお持ちです。
この度、震災で被災された山田町八幡鹿舞の友人から
「これからは積極的に町の外での活動も行うことになった。ただ、太鼓が6個ほど不足している状態なので困っている。さんさの中古太鼓を譲ってくれるよーなつてがないか」と相談を受けたそうです。

「なぜにさんさの中古の太鼓が必要なのかとゆーと
実は鹿舞では助成金を受けて何個か新品の太鼓を購入したそうなのですが
やはり新しい太鼓だと音が違ってしまう。なんか違うらしいです。
それであえて中古の太鼓を探しているのだそうです」・・・とSさんから伝えられました。
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八幡鹿舞の太鼓

ここで重要なのは、さんさ踊りの太鼓と八幡鹿舞の太鼓のサイズが同じだということ。今年の山田町復興祈願例大祭ではさんさの太鼓も使われてますね。どこかから借りたのかな?
私が以前盛岡の関係者からうかがったことでは、最近のさんさの太鼓は音が出やすいように皮を薄くなめして作られている。扱いやすい反面、音の響きが軽くなりどうも音色が物足りない‥というお話でした。そんなことも関係あるかもしれません。

八幡鹿舞の活動を応援して下さる中古のさんさ踊り太鼓がありましたらご連絡ください!!
ご要望の数は6個です。
よろしくお願いします。

 by.事務局MA e-mail=toriratorira@yahoo.co.jp
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八幡鹿舞@山田町復興祈願例大祭
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by torira | 2011-10-22 12:35 | お役立ち情報 | Comments(2)

募金の礼状を頂きました

9月の山田復興祭りでとりら募金をお花として差し上げた、山田大神楽さまから礼状が届きました。お忙しい中ご丁寧にありがとうございます。
お祭りの時には震災の影響などを伺えなかったので、手紙から一部をご紹介します。
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「9月18日の山田祭典の際には、私ども『山田大神楽保存会』にお花を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。
 3月11日の大震災により町の様相も変わり、祭典を行うことは無理だろうと思っておりました。
 私どもの獅子頭ほか道具類は被災いたしませんでしたが、神楽衆の中には津波により家を流出したもの、家族親戚を亡くしたものも数名おり、震災日以降活動を控えておりましたが、今回9月に宮司より『山田町震災復興祭り』開催の案内を受け、私たちもみなさまへ『一歩前へ進むための一押し』ができるのではないかとの思いで参加いたしました。
 大神楽は、清め、天下泰平、厄祓いの舞り(ママ)です。今後も、私たちが舞りをすることによりみなさまの気持ちが少しでも前へ進むことを願いまして活動を続けてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。(略)お礼まで」


今回山田町〜大槌町〜釜石市という3市町村のお祭りを拝見して、どちらにも大神楽(太神楽)と(鹿)獅子踊りと虎舞があるなど、祭りの構成要素・様式に共通点が多いと感じました。(釜石まつりでは今回は鹿踊りが出ませんでしたが)。
むろん違いもあります。山田大神楽の獅子が錫杖を使われるのに対し、先日の釜石まつりで拝見した年行司太神楽は鈴を用いていました。
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ちなみに、花巻市に隣接する紫波町の南日詰太神楽では、早池峰神楽で使われるような鈴木で踊ってらっしゃいます!
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 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-20 22:40 | おまつり | Comments(0)

釜石まつり その2 〜現状報告・釜石の芸能〜

今回の釜石まつりでも、いくつかの団体にお花としてとりらの募金をお渡ししました。

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「南部藩壽松院年行司支配太神楽」=通称「年行司太神楽」さんには神楽船に乗せて頂くなど色々とお世話になりました。この船の性格からもわかるように、随行する団体の中で別格の位置づけの芸能です。代々のおうちで役が決まっているという古風な形式を受け継いでいらっしゃいます。聞かせて頂くお話は今まで知らなかった事だらけでした。

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太神楽や虎舞と違う雰囲気をかもしている八雲(やぐも)御神楽。震災では直接的な被害はありませんが、以前からの後継者難で今できるのは「通り」「たかむら」の2つと簡単な権現舞だけになっているそうです。笛のメロディに、盛岡市の見前神楽で使われるフレーズがまじっていたのには驚きました。

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東前青年会は本来であれば太神楽と子ども達の七福神を演じるのですが、七福神の道具と衣裳が流されてしまいました。団体の幟も今年は青竹に手書きの幡を付けて手作りしました。練習場所が海の前の魚市場だったため、ことしは一度も練習できないままに祭りに臨んだそうです。

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今回、釜石まつりを通して見ていて「へ〜!」と思った1つは、御旅所で神事をする際に並行して芸能の奉納が行われることでした。
祝詞をあげる傍で踊る、尾崎青友会の虎舞です。
こちらではメンバーが2名お亡くなりになっただけでなく、昨年一千万ちかいお金をかけて新調した山車屋台が流されてしまいました。当初今年は祭りはやらない方が良いと思ったのだけど、まわりからも希望があって参加することにしたということです。

この祭りで一番好きなのは、まつりの一番最後、神様を見送る場面。
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太神楽と虎舞と御神楽のお囃子がいっしょくたに鳴る中を御神輿を乗せた船が出ていきます。対岸のお宮におもどりになるのです。
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画像には年配の方ばかり写ってしまいましたが、10代20代もたくさん来ていました。こういう点も沿岸ならではです。

 by.事務局MA
とりら 岩手三陸沿岸の民俗芸能応援募金
 郵便振替用紙に 「岩手三陸沿岸の民俗芸能応援募金」 と書いて下さい。
  口座番号02240-4-69271
  加入者名 ふるさと岩手の芸能とくらし研究会
   ※振り込み手数料のご負担をお願いします。
【問い合わせ】
 e-mail toriratorira@yahoo.co.jp

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by torira | 2011-10-18 22:22 | 東日本大震災 | Comments(4)

釜石まつり その1

民俗芸能を知ろうとするとき、多くの資料では芸能の由来や伝承がまず書かれ、神代の時代やイニシエのやんごとなき人々の時代の話に拘泥しがちです。でももっと身近な切り口で「芸能を知る」ことができるのではないでしょうか?

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毎年10月第三土日に行われる「釜石まつり」では、3社の「尾崎さま」が関係します。
メインとなるのは釜石市内の浜町にある尾崎神社ですが、ここは元々は綿津見神社であり、普段おられるのは漁業の神様である竜神様なのだそうです。そして尾崎神社としては閉伊頼基が祭神となります。対岸の尾崎神社が本宮で浜町は里宮という位置づけです。
秋祭り初日は、御輿を乗せる「お召し船」と年行司太神楽の関係者だけが乗る「神楽船」が、里宮から対岸の尾崎神社に神様をお迎えに行きます。
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本宮尾崎神社の奥にはさらに最初のお宮である奥の院があり、祭りではそこの湧き水を本宮の御魂移しの際にお供えします。ここまでで十分にややこしいので混乱してきますが、祭りに関わる人々には序の口の常識らしい。
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本宮=奥の宮の位置を示す散策地図

祭りの初日、午前中にお召し船と神楽船が出ます。対岸から神様を乗せて湾内を三周します。いわゆる「海上渡御」です。例年はその前後に虎舞などが乗ったお伴の船がたくさん出て賑やかに囃して行きます。カラフルな大漁旗をなびかせた船が湾内を埋めるのです。
それが名物の「曳舟まつり」。
へ〜、そういうことだったのか。でしょう?

今年は震災を受けて船が激減、曳舟は「お召し船」と「神楽船」の二艘にとどまりました。
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何があってもまずこの船を守れ、と昔から言われ今回も必死で津波から逃れた二艘でした。
船は定置網の船です。部外者には漁法の違いはわかりにくいのですが、定置網漁法で捕れるのは高級魚でエライのだそうです。エライ定置網の船は漁協の所有。祭りの主体も時代の流れによりかつての船頭組合から漁協に移ってきたそうです。

釜石まつりは初めてではありませんが、今回は宵宮祭の行われる14日から16日までずっと拝見しました。宵宮では今でも「おこもり」が行われています。社務所に何人かが泊まりこみ。「へ〜っ!」と驚いてしまいました。

この三日間、主に年行司太神楽(正式には「南部藩壽松院年行司支配太神楽」という長い名前です)の方々と錦町虎舞の方々にお世話になり、色んなことをたくさん教えて頂きました。
いろんな習慣や役割。芸能の仲間のつきあい方。
芸能へのアプローチとして、今そこにあるものを知りたいと思います。
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楽しくおこもり(天気祭りともいう)をする虎舞のみなさん

次号の「とりら」では、沿岸に住んでなんらかの形で芸能に関わっておられる皆さんに書いて頂く予定です。よろしくお願いします。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-10-17 23:08 | おまつり | Comments(0)