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東北はゆべしの宝庫です

以前、友人達と「ゆべし学会」というのを作っていました。
ゆべし。これが全国各地にあり、それぞれまったく別物になっている事に気づいて色々と集め比較して楽しんだのでした。

古典的なタイプの滋賀のゆべし。孤蓬庵という小さなお寺で手づくりされている、塩辛いゆべしです。お茶席に用いられています。
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同じタイプの物は、奈良県とか長野県とか、宗教のからむ歴史の古い土地で作られていることに注目。

しかし、もっともゆべしがたくさん作られ食べられているのは実は東北です!
みちのくのゆべしは甘いゆべし。
特に山形県と福島県では、種類、量ともにとてもたくさんのゆべしが作られてています。以下はヨウカンのような棹物が多い山形のゆべしの一例。福島の「かんのや」始め数々のゆべしは今後どうなるのかと心配です。
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岩手県内では、2種類のゆべしが併存しています。というか、盛岡・花巻あたりのゆべしがちょっと毛色が違うというか。。
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こちらの右側が、川下りもした盛岡型ゆべし。「きりせんしょ、でしょ!」という向きもありますがここに引っかかるとやたら長くなりますので目をつぶって下さい。ちなみに左は「おちゃもち」です。

私の一番のお気に入りは、気仙ゆべし。肉桂と丁子と胡椒が入ったやつ。おしゃれに言い換えると、シナモンとクローブとペッパーが入ったゆべし。大船渡市から気仙沼あたりまで広く作られています。
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唐桑町のスーパー「フレッシュマルニ」で作っていたゆべし、おいしかったなあ〜。でもお店は流されてしまったみたいね・・。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-31 23:16 | たべもの | Comments(3)

現況報告12 釜石の錦町虎舞

28日の「もりおか郷土芸能フェスティバル」に特別出演された錦町虎舞(錦町青年会)さんのお話です。
お会いしてみると、会長さん始め皆さんほとんどが30代の方々でした。衣装道具は、数年前に保管場所を高台に移しておいたために無事でした。提灯や半纏の被害があったので、岩手県の助成金を申請することにしたそうです。
「震災前から深刻な後継者難で、自分たちが一番若いメンバー」とのことです。
釜石も芸能団体が多いところですが、新日鐵の撤退以来、人口減少に歯止めがかからない悩みに今一層の拍車がかかることになります。
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「震災で町がなくなってお通りも門ぶち(門打ち)も出来なくなった」という言葉になんと言っていいかわかりません。
「でも虎舞はやる。やめるわけには行かないからね」と高木会長さんはおっしゃるのでした。
今までたくさんの被災団体の方にお会いしましたが、皆さん異口同音に「‥だからといって止めるわけには行かない」とおっしゃいます。
感動すると同時にいろんな気持ちが入り交じりつつ、私にはこういう覚悟が足りないなあと反省しました。

「虎舞は、好きだからやってるというのもあるけど、それだけじゃない。
一番大事にしている事は、釜石まつりで尾崎さま(尾崎神社)に詣でて神様のお供をすること。船で湾をまわったりして海上渡御をする町はいくつもあるけど、船で神様をお迎えに行ってお祭りの後またお送りするのは釜石だけ。
今年の釜石まつり、もし神事だけでもやるなら虎舞はお宮に行く。だって(それが)お祭りだからね。
だけど船がね‥。みんな肝心の船がないからね。。
オレたちは船があるけど、自分たちだけ乗って行くわけには行かないし。どうすればいいか」。
神様に関わることをとても大切にしている。それも自分たちだけじゃなく皆で関わることを大事に思っている。すごいですね。
初めて、しかも突然お会いしたのにも関わらず、ていねいにお話を聞かせてくださった事に感謝です。

たくさんの方から募金にお気持ちを寄せて頂いていますが、この機会に沿岸のくらしのこと、その芸能にたずさわる方々の考え方や気持ちについても、よりいっそう関心を寄せてくださることを願っています。

 by.事務局MA

「錦町虎舞:釜石市無形民俗文化財。釜石市内の虎舞の中でも重厚で内容豊かな代表的団体。かつては門前虎舞と称した。虎頭は大正期に張り子製に変化し、舞が活発になった。刺鳥舞、狐穫り、おかめ漫才、御祝、甚句等も伝承。」もりおか郷土芸能フェスティバルの案内チラシより転載。
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by torira | 2011-08-29 22:54 | 東日本大震災 | Comments(0)

釜石の芸能

お盆の次は正月と書きましたが、その前に秋祭りシーズンというものがありました。
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盛岡の別名=不来方の名のおこりに関係する三ツ石神社のお祭り。
神楽殿では日戸神楽が奉納の準備をしていました。10月に地元テレビ局の新番組冒頭に日戸神楽が登場するそうです。お楽しみに!

矢巾町赤林の白山神社は、場所がわかりにくいことで有名ですが境内は決して小さくありません。見晴らしの良い神楽殿では、盛岡市の見前宮崎神楽が奉納していました。「大岩戸」の後は「三宝荒神」です。しゃがまを耳の下でつかんでいるのが、歌舞伎の鏡獅子を連想させてくれました。
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客席には釜石から来た神楽好きの中学生とそのお父さんの姿も。
彼は釜石の壽松院年行司支配大神楽(あまりに長いので、年行司大神楽と呼んでいますが)の一員です。震災で神楽の道具や練習場所に被害があり、一度も集まっていません。
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釜石の芸能、もう1つ。
盛岡市内、肴町アーケードで行われた「もりおか郷土芸能フェスティバル」に錦町虎舞が来てくださいました。たくさんのお客さんが見つめています。
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皆様から寄せていただいたとりらの募金から、少々のお見舞い金を差し上げました。
年行司大神楽とこの錦町虎舞は、どちらも元禄12年(1699)に釜石の尾崎神社の遙拝所が建てられたときを始まりとしています。
長くなりますので錦町虎舞については改めて書きます。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-28 23:58 | Comments(0)

お正月の心配

盆正月ってなもんで、お盆が終わったら次はお正月の準備です。
岩手県南の沿岸から宮城県の沿岸にかけて盛んなお正月の獅子舞(多くは「権現様」と言っている)行事がどうなるかを心配しています。

以前、「木ばくり工房」で修繕して頂いてる権現様の事を書きました。あれは大船渡市赤崎町の、中赤崎と呼ばれる地区の獅子頭たちです。
年明け元旦あるいは2日とか3日にまず神社に集まって舞い、集落の家々を回って悪魔払いをして歩くそうです。画像は赤崎小学校?校庭に勢揃いして舞った時の中赤崎獅子舞。保存会の方から過去の写真を送って頂きました。
上部の白く抜けている箇所は津波の潮をかぶって絵がはがれてしまった部分です。このような写真しか残っていないそうです。お正月の権現様の画像をお持ちの方がありましたら、どうぞお送りください。
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大槌では虎舞が、陸前高田では「とらまい」と呼ばれる獅子(ややこしい?)が、こんなお正月の行事をナニ気に続けています。
内陸でも、大晦日の夜に悪魔払いをするところは多いようです。
どなたかこの悪魔払い・獅子舞行事のリストを作ってみませんか?今までそれと気づかなかった岩手の基層が現れてくるに違いない、と思ってるんですが。

中赤崎獅子舞保存会の獅子頭補修について、横浜方面から援助が訪れそうです。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-26 20:34 | 東日本大震災 | Comments(0)

シシのお顔

鹿踊り用の鹿の角を集めて下さったお一人は、京都の鹿踊りファンでした。
彼は「鹿踊りの顔ってどれもエキゾチックやろ?アフリカでドゴン族の仮面見た時に、オレやっぱ鹿踊り見なアカン!と思ったんや」と、鹿踊り追っかけの動機を語ってくださったのでした。

岩泉町郷土芸能祭で出会ったシシたち。確かになあ〜〜。

宇宙人っぽいマスクの釜津田鹿踊り。
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鼻に「ホ」の字の二升石鹿踊り。
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ゲストの夏屋鹿踊り(宮古市)はメタリックな迫力。
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 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-23 23:34 | 意匠 | Comments(2)

盆踊りはどこへ行く

柳田国男「北国の春」に出て来る小子内の盆踊りは今年は行われないようですが、そのすぐ南の有家地区でナニャドヤラに会えました。
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「盆踊りは先祖の供養だから、地域に不幸ごとのあった年でも踊ります」という区長さんのごあいさつがあり、子供たちが学校で習った民舞やお母さんたちの演舞披露の後に、待ちに待った盆踊り開始!まだ日は高いけどいいの、いいの。
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墓地のとなりの空き地で始まった盆踊りはすぐに大きな輪になりましたが、あれ?皆さんどこへ行くの〜?そっちはお墓ですよぅ!
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太鼓も踊り手もかまわずどんどん続く。
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墓地をぐるりと踊って回ります。
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墓地は二十余年前に新しく作られた所だそうです。この夏まつりも歴史は浅いらしいのですが、「お盆には先祖を供養しよう」という古風でマジメな意図が盛り込まれていました。古風が意図される事に、逆に時代を感じたりしました。関東からわざわざ取材に来ていた学生さんたちには、これがどう映ったのでしょうか。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-21 23:12 | おまつり | Comments(0)

特集:ナニャドヤラのポスター@洋野町

北から。洋野町種市。
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種市から少し南の有家(うげ)。
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同じく洋野町大野。
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大野で行われる北奥羽ナニャドヤラ大会(8月18日)の前夜祭。
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 by.事務局MA

 
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by torira | 2011-08-20 22:23 | 年中行事 | Comments(2)

お盆にホヤ食べました

ホヤ・ホヤ・ホヤが食べたい、岩手のマボヤが!と言い続けていたら、南の方からサンタクロースが(なぜ南?というつっこみはナシでお願いします)レンタカーに乗って願いを叶えにやって来てくださいました。神道系美丈夫をお供に。

洋野町種市町の「はまなす亭」にて豪華ホヤづくし定食!引きがなくピンぼけゆるしたまへ。
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ホヤの炊き込みご飯、ホヤのお吸い物(これ化調なしでおいしくて個人的に大うけ!)、ホヤの刺身、ホヤキムチ、ホヤのフライ、ホヤの網焼き、それにメカブとろろ。
あ〜うれしなつかしホヤの香り♪ 網焼き美味でした。

愛媛県出身の神道系男子はホヤ初体験とあって、ホヤ責めはちょっと辛かったみたい。が、そこは若さで完食。ホヤご飯がおいしかったそうです。
サンタクロース氏はきれいにたいらげた上に、ホヤ2キロを故郷フィンランドへ送る手配をしていたっけ。
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「かぜみず」というものが売られていました。カゼ(ウニ)の香りのする「郷土調味料」です。「郷土調味料」って言い方いいね!
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かなり買いたかったけど、サンタさんとの旅は先が長いので見送る。あれで潮汁を作るとおいしそう。未練が残るのでありました。

町内の目抜き通りに提灯が飾られていましたが、お祭りではないみたいです。いやお盆はご先祖さまのお祭りなんです。
町内2箇所で灯籠をたくさん積んだ屋形船を乗せたトラックに遭遇。
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これは舟ッコ流しのように流すんでしょうと言ってみましたが、サンタさんはあまり納得してくれません。後で会ったナニャドヤラ研究家に画像をお見せしても「初めて見ましたデス」とおっしゃるのでありました〜嗚呼。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-19 22:54 | たべもの | Comments(0)

大船渡市の笹崎鹿踊り

鹿踊り、ことに沿岸の鹿踊りについては正直かなり不勉強でした。
今日、全国中学総合文化祭岩手大会で大船渡市の笹崎鹿踊りを見て、内陸の鹿踊り(こんな大ざっぱな分け方をすると鹿踊りの方たちに叱られること必至ですが)とのフォーメーション(陣形)や構成の違いにちょっと驚いたのであります。
おとなし目に始まり、次第にテンションを上げて行きます。まだ足腰のきゃしゃな若鹿たちですが、その大熱演に見ているこちらもすっかり夢中に。
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こういうポーズはあまりなじみがありませんでした。
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今回の震災で被災された笹崎鹿踊りですが、中学生用の衣装道具は別に保管されていたため今日の公演にはその点は支障ありませんでした。

大船渡市では11月3日?に郷土芸能祭(中学生ではない)を行う予定だそうです。来年の11月かと思ってたら今年の、だそうです。わー!

 by.事務局MA
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by torira | 2011-08-18 21:53 | 芸能 | Comments(0)

島ノ越の灯籠流し

田野畑村島ノ越では、お盆はこれまで盆踊りが盛んだったそうですが、今年は地元のお寺の呼びかけで灯籠流しをすることになりました。となりの羅賀集落に住んでいた友人からこれを聞いて、送り盆の16日、島ノ越の浜に行きました。
水色にぼやける夕空の岸壁に地域の方々が静かに集まってきています。
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お坊さんの読経、女性達のご詠歌が流れる中、灯りをともした灯籠がそっと海に浮かべられていきます。
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行く前は、盆踊りの関係者にお会いできたらお見舞いを渡し、太鼓の整備などについて何か提案を、と考えていました。また、前に漁村センターにおじゃまして神楽を拝見したから、漁協の方にお見舞いを差し上げようか、とも思いました。
地元の友人にそれらしい方が来ていないか探してもらいましたが、すぐには見つかりません。でも、そんな行為はこの場には似合わないと感じて、なおも誰かに尋ねようとしてくれる友人に「ムリはやめる」と言いました。親切な彼女は今は仮設で暮らしています。

海が次第に暗くなるに連れて小さな灯りは明るさを増して行き、1つ1つが確かに誰かの声に見えます。遠ざかっていくそのメッセージを皆が言葉少なに見守っています。
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翌日、その友人から「復興!などのお祭り騒ぎより、昨日は心情的に無理なく仏さんを送れて良かった」というメールが来ました。同じ事を思います。

 by.事務局MA

引き続き、
「とりら 岩手三陸民俗芸能の応援募金」にご協力をおねがいします。

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by torira | 2011-08-17 22:23 | 東日本大震災 | Comments(0)