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富根報徳番楽 鈴木舞

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 押しの強い舞や囃子もさることながら、実はその間隙をぬって掛けられる「語り」が武士舞の主役だと感じることがよくあります。概ね語られる中身は、武士が死へと転落していく様を描いたものです。

 今回は、もうひとつ大きな軸がありました。舞台シモテのおっちゃん。舞にあわせて、バシバシ舞台をはたき、「はぁっ」と大声をあげます。
 鈴木三郎もああやって床をはたいたのか、いや、そんなわけはない、しかしこうなっちゃうと、もうそういうことなんだろう・・・と、頭がぐらぐらしてきます。自分も一緒に舞台はたきたい。そんなことを感じているうちに、どんどん終末へと向かうのでした。

 by げんぞう
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by torira | 2009-11-30 22:26 | お役立ち情報 | Comments(0)

花のゆくえ

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奥州市前沢区六日入白山神社のお祭りに用いられた献膳行列の造花です。たいへん見事なできばえですが、地元の女性たちが仕事から帰ってきてからお祭りのために造ったものだそうです。左側のボタンの花たちを下の画像と見比べて頂きたいと思います。
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こちらはさきの「とりら収穫祭」でギャラリー展示した見前町田植踊り(盛岡市)の衣装の花笠です。こちらのボタンは、造花や祭り用品の専門店である盛岡市の花王堂さんで作られたと思われます。同じ仕立ての花を付ける三本柳さんさ踊りの注文のことを花王堂の方から聞いたことがありますし、花王堂のHP上に「受注生産のためお届けまで数週間掛かります」とことわった上でこの造花の注文を受け付けているからです。(注/今日、代表の方にお聞きしたらやはり花王堂で作ったとのことでした)

 by.事務局MA
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by torira | 2009-11-29 22:25 | 意匠 | Comments(0)

干し柿プロジェクトの提案

仙台名物、定禅寺ストリートジャズフェスティバルの実行委員長を長くつとめた愉快な先輩がいて、肩書きは版画家ということになっています。彼と来たら、ご近所の住民の高齢化が進んで利用されなくなっているおうちの庭の梅やイチヂクを、「絵のモチーフに使わせて」という口実で頂いてきては、梅漬け、梅ジャム、イチヂクの甘露煮を大量に作って人に配っています。梅漬けの紫蘇でふりかけまで作っているのには恐れ入りました。
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私のご近所にある柿の木、最近はおうちの方が穫ることもなくカラスの餌となっています。今年はまた大豊作〜。先輩に倣って干し柿プロジェクトとかやれたらいいなーと思いながら、作る技もないので思うだけにとどまっているのです。干し柿を使ったお菓子の柿巻きとか好きなんですが、どなたか作ってくれませんか?
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 by.事務局MA
 
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by torira | 2009-11-27 22:54 | たべもの | Comments(0)

種を播く人

岩井沢家のお父様から「いやぁ田植踊り、面白かった!」と言っていただいて嬉しかったのですが、自分たちはほとんど見てないんですよ。
でもこちらから頂きました「とりら収穫祭」の画像データ、「種まき」のカットを見てもお世辞ではなさそうだと見当がつきます。
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当日お配りした黒内田植踊りの解説を書いてくださったのは、種俵を背負ったこちらの方です。ありがとうございました。卒論ではご自分たちの田植踊りに取り組むそうですね。頑張ってください!

 by.事務局MA
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by torira | 2009-11-26 23:32 | お役立ち情報 | Comments(1)

また鮎

 二戸市福岡「どんぐり堂」の「馬渕川の鮎」。
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 皮の模様やエラの細工などは、全国共通の「若鮎」によく似ています。ただ、中身が求肥じゃなくて、こし餡でした。皮との相性で言えば、求肥よりはムリのない取り合わせかと思います。それだけに食感や味の衝撃はやや薄いようにも思えます。ふつうにおいしくいただきました。
 いっぽうで、こちらのお店の「チーズピッコロ」は、想像をはるかに越えて重層的な味わいがありました。店内で何を選ぼうか延々と悩んでいる際に、常連のお客さんに薦められて買ったのですが、なるほどです。チーズクリームを巻いた、とても小さなロールケーキ・・・といった感じなのですが、塩味をきかしている点が特徴です。

 by げんぞう
 
 
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by torira | 2009-11-25 20:43 | たべもの | Comments(0)

神話と意味

 「この演目の意味はなんですか?」という質問をされることがあります。見てて鼻血出そうになったり毛髪が逆立ったりする感覚さえあれば、そんなのどうでもいいんでない?と、ひねくれてみたいものの、「なるほど、意味かあ・・・」と考え込んでしまうこともしばしば。特に、芸能の歌や謡の意味について思いをめぐらすことがよくあります。
 歌や謡の意味をたどる作業には、色々な罠があるように感じます。たとえば、わりと最近に「こういう意味です」と誰かが説明して、それが定着してしまったものとか。あるいは、モトとなっている芸能に同様のものがあるかなあと探していっても、けっきょく最初にその歌を用いたのは何でなのかよくわからなかったりとか。そんな徒労をくりかえしているうちに、こうやって意味を問うことがなぜ必要なのか自体が見えにくくなってしまい、ルーツ探しや箔付けに終始してしまうことってありませんか?
 そこらへんのことについて、明解な答えを出しはしないけれども、「いまのあなたの考え方は大丈夫?」という一石を投じてくれる本のひとつがこちら。
「神話と意味」
レヴィ=ストロース著 大橋保夫 訳
みすず書房  1996

 ラジオの講話を編集したものですので、とても読みやすくでてきいます。そして、シンプルながら、“こう考えがちだけど本当にそうだろうか”という問いがぎっちり詰まっています。例えば「私たちは、昔は、神話的思考に出てくるさまざまなことを無意味でばかげたこととして片づけてしまいがちでした」(p.32 第二章「“未開”思考と“文明”心性」)という一節は、ふるさと岩手の芸能を見るものにとって、なかなか重たい言葉です。
 著者が先日亡くなったので改めて読み返してみましたが、花部英雄氏の著作と共に、自分なりの“芸能の読み方”に影響した一冊だなあという思いを強くしました。
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 by げんぞう
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by torira | 2009-11-24 20:41 | 資料紹介 | Comments(1)

卓球場は木の床だった

22日(日)イオンスーパーセンター盛岡渋民店、ふだんは卓球場となっているスペースで行われた玉山神楽を見て来ました。
「番楽」、「御神楽」。ともに定義のややこしい演目ですが、理屈はぬきにしても県北エッセンスの入った玉山神楽の演目を若い力がのびのびと演じていて…うらやましい。「子獅子舞」は鬼剣舞や早池峰系神楽の方が見れば「あっ。これってウチで言う○○じゃないか」と言うに違いない曲芸技です。事情あってカメラを持っていけなかったので、昨年の「子獅子舞」画像でスミマセン。この卓球場スペースはフローリングの床なので、幕さえ張れればすぐ神楽舞台になります。明るいスペースでいい感じ。
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新年にこのイオン渋民店で神楽による正月祝いを提案したい、というお話でした。実現するといいですね!

 by.事務局MA
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by torira | 2009-11-22 20:57 | 芸能 | Comments(2)

柱固め

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新築祝いに呼ばれた滝沢村の篠木神楽。(ま、神楽のお一人のお宅なんですが)
シシが激しく頭を振ってピーピーと鳴きながら赤いタスキを呑むところです。はたしてこのとき、「とりら」4号で吉田隆一さんが書かれたように「もうだり もうだり あやの小路からししもってまいった」のような歌がかけられていたかどうか。目の前のすごい迫力に圧倒されてぜんぜん耳が働きませんでした…。ああ〜。
おうちとご家族の皆さまの安全とご多幸をお祈りします。

 by.事務局MA
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by torira | 2009-11-21 17:30 | 儀礼・習俗 | Comments(1)

いらっしゃいませ

 10数年前によく話題になっていたことの大半は「外部経済の内部化をどう考えようか」といったような話でした。自分は“環境税は逆進的になりがちなんじゃないか”みたいなことを語ろうとするのですが、どちらかといえば“それ以前に、なんでも交換できるものにしてしまうのはいかがなものか・・・”というところで必ずみんなの話が頓挫するのでした。
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 しかし本日、2歳児が飴玉を袋に詰めながら
「ぎゅんじゅうえーん。ぎゅんじゅうえーん」
としゃべっていました。貨幣経済の侵食がこんなに急速だとは思わなかった。

 by げんぞう
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by torira | 2009-11-18 22:05 | 儀礼・習俗 | Comments(0)

持っているものの価値

田口ランディが岩手県民会館で早池峰神楽を見ていったらしい。田口ランディは読んだ事がない(文系の人間でありながら最近小説はほとんど読んでない)のですが、民俗芸能の文脈でとらえる作家ではないらしいことは見当がつく。ユネスコ無形文化遺産登録になるとこういう事が起きるのかーと思う。

幸田神楽の夜神楽を見ました。この講神楽については、「とりら」3号に阿部さんが詳しく書いておられるのを見て頂くのが良いと思う。神楽のさかんな花巻地方でも、毎年民家で夜神楽を演じる例はとても少なくなった。この神楽講でも先行きが心配されている。
昼の門打ちの後、夜は当番の家を会場に、座敷の畳を上げて幕を張って夜7時から11時くらいまで神楽を演じる。
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幸田神楽の「山の神」、この夜はいつにも増して一段と輝くような舞だった。一番好きな(そして特徴的な)面をはずして座ったまま刀を扱うところでは、舞手の内側に凝縮された力が一手一手にこめられ、それがやがて外に向けて解き放たれていく過程がすごかった。
この神楽の十八番と言われる「鐘巻」も間近で堪能できたし、狂言も絶妙のうまさとおかしさで楽しかった。熱演を受け止めて惜しみなく送られる拍手と笑い。
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いろんな意味で続いてほしい講神楽だけど、安易に「がんばって続けてください」とは言える立場にない。それは畳を上げるのを手伝えばいいとかいう事ではない。暮らして行く中で神楽を必要と感じる気持ちを、住民同士で共有していけるかどうか。神楽を家に迎える晴れがましさと楽しさより、準備ともてなしの煩わしさの方を強く感じるようになると講から抜けてしまう。そうすると当番が廻って来るサイクルが短くなってよけいに各家の負担が大きくなる。

みんな神楽は大好きなのだけど、講神楽が当たり前の存在になっていて、やってもいいけどやらなくてもいいかーと思ってる気配がある。早池峰神楽のユネスコ無形文化遺産登録と自分たちの神楽講とは同じ次元では感じられないのかもしれない。
幸田神楽の魅力と、講神楽が続いていることのすばらしさ。その価値をどういうふうに地元の方たちにお伝えできるのかなー、いつもお世話になってしまう私としては、何がお返しできるかなぁ、と思っているのでした。今年もありがとうございました。

 by.事務局MA
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by torira | 2009-11-17 22:41 | おまつり | Comments(1)