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「見立て」の美学

 ふるさと岩手の芸能には、ただ写実的な描写をするのではなく、あえて似て非なる小道具を用意して“見立て”を楽しむものがあります。
 たとえばシシ踊の「案山子」「綱」など。綱は見ての通りの綱ではありますが、やや深い意味が込められていそうなので、何か“見立て”の意図を感じます。
 また、山伏神楽では「金巻」の「鐘の緒」、機織の「はた」など。
 いずれも、充分なスキルが伴う団体で用いられるときには、写実的な小道具を超えて、見ている者の創造力を増幅させる不思議な力を持っています。仮に演目の創作や復活という課題を与えられたときに、これらの見立ての美学を取り入れるのは私たち現代人にとっては至難の技でしょう。
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 さて、うちのRaekwonさんの近頃のお気に入りはお財布です。お札やらレシートやら、どんどんぶちまけては何やら満喫しています。しかしまあ清潔なもんではないし、あんまりシワクチャにされても困る。
 そこで、「げんぞう特製オリジナル財布&中身」をつくりました(素材=ウラ紙)。ところがぜんぜん関心示さないんだな。そのうえ泣くこたないだろよ


 by げんぞう

※オリジナル財布の中身は、手書きによる下記のものです
 ・ひゃくまんえん
 ・ひゃくまんどる
 ・ひゃくまんるぴー
 ・ぽてと むりょうけん
 ・つたや てぃーかーど

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by torira | 2008-06-30 21:38 | 意匠 | Comments(0)

同病相哀れむ

このところ、首がどうにも痛い。肩こりもますますひどい。というのでレントゲン検査を受けたら「頸椎ヘルニアである」と診断されました。湿布が出ただけなので、ちっとも良くなりません。
ついつい首をかしげて肩に手を回し、ちょっと押したりしています。

一戸町の高屋敷神楽の権現さま、お囃子の方達は笑顔で見ているのですが、頸椎ヘルニアなのじゃないかと気になります。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-29 20:42 | 芸能 | Comments(2)

小さな桶屋さん

盛岡市の町の真ん中に桶屋さんがあります。と言って「ああ、あそこ」とわかる方はどうも少ないようです。ふとしたことでそこが桶屋と気づいてから、一度行ってみたいと思っていたのですが、先日のぞみを果たしてきました。
「90才になったときに仕事はやめた」とおっしゃるそのお爺さんは御とし92才とか。ちょと耳が遠い以外はいたってお元気です。やめたと言いながら、手すさびにそうめん用の猪口などを作っておられるので買い求めて来ました。仕事場に今も並べられている年季の入った道具の数かず。f0147037_1685.jpg
そのうち解説付きでゆっくり見せて頂きたいと思うのですが、はたして叶うでしょうか‥?

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-26 01:08 | 意匠 | Comments(0)

ナニャトヤラ唄声コンサート

八幡平市博物館で行われた「ナニャトヤラ唄声コンサート」に行ってきました。
この博物館がある旧安代町には、盆踊りが3種類あることを初めて知りました。五日市や浅沢地区のナニャトヤラ、田山地区の鹿角風盆踊り、そして畑地区の盆踊り、です。
田山地区の盆踊りのときには、90才と87才の名人お二人が踊ってくださいました。お召しになっている浴衣のデザインが気に入ったのでよーく見ると、「あしろ」という文字をストライプにした上、安代を代表するリンドウの花を散らしてあります。いいセンスだ。デザイナーえらい。f0147037_2051916.jpg
客席には、毎年「北奥羽ナニャドヤラ大会」を開く大野村(現在は洋野町)からいらした方達の姿もありました。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-24 20:58 | 催しもの | Comments(0)

小さいころから

 ふるさと岩手の芸能に限らず多くの伝統芸能で「後継者対策」が大きな問題となっています。この対策として「小さい頃から芸能に触れさせる」という話が善意から語られることがしばしばあります。
 しかしまあ、見せられる子供の立場からすると、好きで見てるぶんにはイイけれども、固いイスの上でだまってじっと見なきゃないのはつらい。のではないかなあと思います。
 そんなわけで、自分の子供には押し付けちゃいかんなあ、と。自分と違う路線を歩んでもらうのもいいのかも。いっそのこと、古典的なモノは一切見せないでテレビ漬けにするとか。食事もファストフード限定、輸入食品中心で。
 という相談を信頼のおける知り合いにしたところ大いに悪ノリして
「いいねえ。ショッピングモールと家の往復だけみたいな生活にして。学校行くまえから携帯もたせて・・・」
と、役に立つアドバイスをいただきました。
 ま、選ぶのは本人なので。
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 by げんぞう
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by torira | 2008-06-23 22:18 | お役立ち情報 | Comments(2)

「北方社会史の視座 第3巻」

「北方社会史の視座 第3巻 歴史分野(近代)と生活・生業分野」
長谷川成一監修 清文堂出版 2008年5月 4,725円 393P 22cm

河西英通(広島大学大学院文学研究科教授)・脇野 博(秋田工業高等専門学校教授) 編

◎歴史分野―東アジアと近代における地域と国家
北緯四〇度の歴史学―東アジア世界における北方日本……荷見守義
北の自由民権……河西英通
北の軍隊を見る地域のまなざし―郷土軍としての第八師団と大湊要港部……荒井悦郎
東北振興のあゆみ―近代国家と地域開発……中園 裕
役場文書に見る戦時教育行政―学校動員の実態を探る……中園美穂

◎生活・生業分野―地域に生きる人々の生活と社会
北東北の農山村……山下祐介
争うネブタの伝承―青森県津軽地方のケンカネプタ……小山隆秀
近世前期津軽地域における漁民像について……坂本寿夫
北方の森林資源と林業……脇野 博
金銭出納簿にみる明治初期のハリストス正教会……山下須美礼
北日本の鉱山と鉱害―秋田県大葛鉱山毒水問題を中心に……土谷紘子
海峡地域の女性の生活誌―地域・家族・手仕事……長谷川方子
箱館鯡船の来航と八戸湊の構造……渡辺英夫
コラム1 津軽人と南部人……小泉 敦
コラム2 サイロを旅する 北方社会の近代建築……二村 悟
コラム3 「医療の社会化」を巡る―地域社会の相克……川内淳史


f0147037_2020174.jpg 同書は、というものをあえて通史的なやり方ではなく幅広いテーマで「北方社会史」を組むというものです。こういう試みは通史的な知識をあるていど持ち合わせている人にはいいけど、かえって自分みたいな人にはしんどそうだなあと思って読んだのですが、特に後半の“生活・生業分野”は興味深く読みました。
 目屋ダムをはじめとした岩木川流域の近代化を扱った「北東北の農山村」、“鮫御役所日記”を読み込んでいく「箱館鯡船の来航と八戸湊の構造」は、東北の芸能とくらしに関心を持つ者としてとても役立つ視点を示してくれています。特に「北東北の農山村」は、いかにも膨大な資料・調査結果を小出しにしている感じがして、他の著作も読んでみたくなります。
 その“生活・生業分野”をもうちょい理解するうえでは、第2巻(歴史分野〔近世〕と文化分野)を読まなければ・・・とも思ったりして、そういう意味では全3巻にわたって上手いことつくられてるんですね。
 「争うネブタの伝承―青森県津軽地方のケンカネプタ」では、ネブタについて「七夕行事」「盆行事」といった起源論にとどまらずケンカという要素について考察し、展開と発展・機能をあぶりだしています。その中で、他地域の同様の例を扱った資料として、冊子「とりら第2号」所収の「盛岡および周辺の『七夕』『虫まつり』『厄病まつり』」を紹介いただきました。身が引き締まる思いです。

 by げんぞう

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by torira | 2008-06-21 20:20 | 資料紹介 | Comments(0)

すず

今も断水が続く奥州市衣川区下河内の人々は、しばらく利用していなかった水場=「清水(すず)」から生活用水を得ることができた、という記事が岩手日報(6月19日夕刊)に掲載されていました。半ば忘れられていた湧き水が苦境の人々を救う・・。「清水が守ってくれた」という地元の方の言葉が印象に残りました。
「湧水」を意味する「すず」と言う言葉は岩手県だけではなくかなり広い範囲で使われているようです。

早池峰系の神楽に「水神」という演目があり、一部では「すず」と通称されています。
水を汚した人間に腹を立てた竜神が氏子に崇ろうとしたが、八百万の神々によって旱魃をおこされたので苦しみ、詫びて従属を誓ったので水神にとりたててもらった、というストーリーです。
雨乞いの曲のようですが、この状況では二次災害を考えるとあまり降らないでほしいですね。(画像は石鳩岡神楽の「水神」です)

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-20 23:54 | 昔のくらし | Comments(1)

雲南田向の馬頭観音さん

 まあそういうわけで、衣川村南股の安倍舘跡から松山寺を通って、大森へもいってみようとしたわけです。いろいろお世話になった方々もいる地域ですので。雲南田向の付近で道路にヒビワレが見られるようになりました。
f0147037_21342049.jpg と、法面のコンクリの一角が凹んでて、ヘイソクが納められている。なんだろなあと思って車を進めていると、その少し先で木が倒れていて、それ以上先にはいけませんでした。
 ちょうどそのとき向こうから自転車で70歳前後の男性が(自転車は木を避けて通れるので行き来できる)。

f0147037_2134428.jpg この方のお話によると、先ほどのヘイソクを納めてある壁面は「馬頭観音さんのお堂」だそうで、「いつもは屋根がついている」とのこと。どうやら地震の落石でぶっこわれたようです。法面が信仰対象というのはどういう感覚なんだろうと思いきや、本体はその上に。思い切り見上げると、えらく高い岩に仏影が彫られています。そちらが崩れなかったのが不思議なぐらいに危険な張り出し方で、なかなか見ごたえがあります。

 by げんぞう
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by torira | 2008-06-19 21:37 | 意匠 | Comments(0)

地震と万歳楽

今回の地震のとき、私は象潟町にいました。
小滝のチョウクライロ舞を見に行っていたのです。
江戸時代の紀行家・菅江真澄は象潟にも来たことがありますが、秋田県湯沢市や青森県むつ市では地震に会い、このとき人々が「万歳楽、万歳楽(まんざいらく、まんざいらく)」と唱えたことを記録しています。
関東から新潟、東北で、地震を鎮める呪文として唱えていたらしいのですが、今ではほとんど残っていない慣習です。
検索してみると、謡曲「高砂」に「千秋楽は民を撫で、万歳楽には命を延ぶ」とあることの指摘や、雷が鳴った時に「くわばら、くわばら」と唱えるのと同じようなもの?という推察もありました。

余震は減ってきましたが、旅行のキャンセルが相次ぐなど地震の余波はじわじわと広がっています。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-19 00:17 | 儀礼・習俗 | Comments(0)

今日はどこまで行ったやら

f0147037_20515387.jpg連日、岩手県南部へ被害調査にお出かけの管理人氏も、昨日の日暮れ時には赤い着物で神様にご奉仕。子どもとおばちゃんにお愛想してごキゲンでした。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-06-17 20:57 | おまつり | Comments(0)