<   2007年 11月 ( 24 )   > この月の画像一覧

十三日町

 以前に、盛岡市の三戸町(現:中央通2丁目付近)について「盛岡周辺の剣舞の発生源となっている」「大念仏系の剣舞の祖となるものがこの地にあった」ということを書きました。すみません。これ、まちがいです。
 正確には、
「盛岡市のある大念仏系の剣舞(高江柄念仏剣舞)が所蔵する伝書には、『三戸町 金右衛門』の名が書かれた、大念仏についての記録がある」

ということになります。「大念仏」と「大念仏剣舞」はイコールではありませんので、「三戸町に剣舞があった」という書き方は不正確です。また、周辺の大念仏or大念仏剣舞の発生源というわけでもないようです。

 で、改めて。盛岡市の十三日町です。肴町アーケードの南側のどんづまりのあたり。ほれ、染勘の向かいよ。・・・といってもわけわからないでしょうから、地図をご参照ください。
f0147037_22525565.jpg この十三日町の地名と個人名が入った大念仏剣舞の伝書が盛岡周辺には複数あり、「万治二年(1659)」「寛文四年(1665)」といった年代が記されています。十三日町の住人が大念仏剣舞をおこなっており、またそれが盛岡周辺の大念仏剣舞の祖となったものの一つであることは間違いないようです。
 十三日町の付近は、藩政期には三戸町よりもはるかに都会なエリアだったと考えられます。剣舞というと農村部のものというイメージが強いのですが、こんなに都会でおこなわれており、そして発信源だったというところに意外性を感じます。

・・・ということを言いたかったんですが、ヘマしましたねえ。

 by げんぞう
[PR]

by torira | 2007-11-30 22:55 | 芸能 | Comments(0)

又兵衛まつり

 毎年11月30日に、宮古市津軽石川河口で「又兵衛まつり」が行われています。
 V字の杭に荒縄を巻いたものを河原に立てて神事が行われるもの。
 昔、藩が独り占めしていた津軽石川の鮭を、義賊・後藤又兵衛が飢饉に苦しんでいる上流の人々のために川留めをこわして流し、又兵衛はそのとがを受けて河原で処刑されたという伝説があります。このオブジェは逆さ磔になった又兵衛をかたどっているそうです。
 画像は8年前、この又兵衛人形見たさに行ったときのもの。
f0147037_1845878.jpg
 11月30日という日のお祭りで有名なのは、千葉県佐倉市の香取神宮で行われる大饗祭(たいきょうさい)です。そのお供えときたら、鴨の姿作り、鴨の内臓や鮭、フカの切り身を組み合わせ、三方の上に高く盛りつけた鮭の鳥羽盛という血なまぐさいものです。そう、鮭なんです。
 かつて盛岡市の北上川べりで行われた祭礼では、神事の際に湯立ての釜で大根と北上川の鮭を煮て参列者がいただくというものがありました。
 そして翌日、12月1日は一般的には川浸りの朔(かわびたりのついたち)といって、水神を祀る日だそうです。この行事は東北ではあまり聞かない気がしますが、関西ではポピュラーなようで「川浸り餅」などという銘菓もあるくらい。

 又兵衛まつりは元々は、鮭という豊かな幸をもたらす川の神に感謝するまつりであったと思われます。逆さはりつけの又兵衛は、鮭のカタチでもあるでしょ?
 めでたい魚の代表は南では鯛。北では鮭、ということになるでしょうか。黒森や鵜鳥の神楽のお宿でも、恵比寿舞のときに鮭の荒巻を持ち出すご主人をしばしば見かけます。
 しかしここ数年、鮭はもっぱら不良。今シーズンはどうなるのか気になっています。

 by.事務局MA
[PR]

by torira | 2007-11-28 18:47 | おまつり | Comments(0)

くるみ

 冊子「とりら」創刊号に、盛岡市上米内の「白石神楽」のことを紹介しました。その中で、できればもっと書きたかったのは、食い物のことです。白石は「盛岡市」とはいえ山間部なので、いかにもそれらしい食生活だったわけです。つまり、米はあまり喰えず、雑穀を中心とした生活でした。で、ごちそうは「クルミ」。
 
 同じく冊子「とりら」創刊号の巻末には、それぞれの著者のちょっとした自己紹介が載っています。まめぶ さんはそこで好きなものとして「クルミモチ」を挙げています。クルミには並々ならぬ思い入れがあるようです。

 で、今年の正月すぎに我が家でクルミモチを喰おうということになりましてね。割ろうとして金槌でガシガシやったんですが、これが割れねえの。困って、まめぶさんに聞きました。そしたら、台にする石がポイントなんだそうですね。嫁入り道具にするほどだそうで。で、台をちゃんと石にしたらば確かにスカスカ割れましたね。
f0147037_2252984.jpg ところが、仕事でクルミ割りをしなきゃないことになったんで、myクルミ割り器を買ってみました。これはこれでいいですよ。まあ、割れるの割れないのと言いながら火にあたってダラダラ過ごすのが楽しいんですよね。
 というわけで、そんなクルミに興味を持った方は冊子「とりら」創刊号どうぞお買い求め下さい。

 で、白石のクルミの話は尻切れになっちゃいましたけど、続きはそのうち。

 by げんぞう
[PR]

by torira | 2007-11-26 22:56 | たべもの | Comments(2)

川井村の神楽展

 急に思い立って、今日までの展示だった川井村北上山地民俗資料館の「川井村の神楽」展に行ってきました。
小さい展示ながら内容は濃く、改めて川井村には神楽がたくさんあったんだなぁと知りました。すなわち、明治期から戦前までは門馬(かどま)、川内、江繋、大仁田と4団体の早池峰神楽があり、他には神道系と言われる末角(まっかく)神楽がありました。今も活躍しているのはこのうち江繋早池峰神楽と末角神楽の2団体です。
 今シーズン、村の3カ所をめぐるこの2神楽の公演が企画されました。11月18日には川井村川内地区公民館で上演され、展覧会の会場ではその時の神楽がビデオで見られるようになっていました。
 川井村の神楽は、大迫の早池峰神楽と沿岸の黒森神楽と内陸の神楽に通じる部分が混じってるようです。18日の演目で珍しかったのは江繋早池峰神楽による「寅走り」という一人舞です。この言葉、大迫系の早池峰神楽にもあるのでしたっけ?それとも大乗神楽系でしたっけ?
 芳名帳には、「とりら」会長とその甥っ子さんのお名前がありました。会長、ココ見てたら何か書いてくださいまし。
 この展覧会のパンフは作りこそ簡素ですが、地図や宿で神楽をする際の見取り図が入るなど丁寧な編集で好感が持てます。

 行き帰り、バスの中から見る秋晴れの川井村の風景はとても美しくて、この村の未来を祈らずにいられませんでした。画像は末角神楽の権現様です。頼みますでば。
 神楽の巡回公演、最後は12月9日(日)午後1時から江繋の公民館です。

 by.事務局MAf0147037_21345734.jpg
[PR]

by torira | 2007-11-25 21:40 | 催しもの | Comments(0)

ストップ

 5歳になる八戸の甥っ子が、会うたびに「ストップやろー」と言ってきます。「ストップ」というのはトランプを使うカードゲームの一種。八戸の一家は当然のようにやっていますが、私は全然知りませんでした。自分がものすごく世間知らずなんじゃないかと心配になって調べてみたところ、どうやら青森県南限定のゲームだそうです。
 ルールは「セブンブリッジ」を簡単にしたようなもの。まあ、5歳でもできるので、そんなに難しいもんじゃありません。やっている本人達は「青森県南限定」とかそんなことは全く知らずにやっているので、いい年こいてルールを知らないやつがいるということのほうが驚きのようです。
f0147037_21555035.jpg
 ともあれ、自分はセブンブリッジも良く知らなかったので、ルールをうろ覚えで参加して、甥っ子に負けまくりです。「げんぞうくん弱いねえ」と、甥っ子を喜ばせています。

 by げんぞう
[PR]

by torira | 2007-11-24 21:56 | お役立ち情報 | Comments(0)

「青森県の民俗」第5号

「青森県の民俗」第5号(2005.06)
1500円
家の生業選択と労働力-夏泊半島沿岸部漁村における生業の複合から- 小林亜希子
津軽における「九重守り」の受容 山田 厳子
現代の信仰をかいま見る-幸福を求める人々- 石山 晃子
神に捧げる人形代-小金山神社の事例- 石戸谷 勉
青森県南地方のさまざまな観音巡礼 滝尻 善英
■資料報告と問題提起 特集〈下北半島の民俗〉
伝播と交流の視点から-下北特集にあたって- 小池 淳一
子安弘法大師信仰の担い手たち-漁民の交流を背景に-  長谷川方子
青森県から道南への婚姻・漁業などによる人の移動
-茅部郡・山越郡を中心に- 豊島 秀範
下北昔話の結句についての一考察-「一生暮らした」系と新潟地方の関連- 佐々木達司
下北半島に残るオニカガシ習俗について 大湯 卓二
オヤママイリ(恐山参り)と刷り物 大村 達郎
現代の下北半島の民間宗教者 小山 隆秀
青森市大正七年の農家年中行事 三浦貞栄治
弘前学生民俗の会活動について 福島 春那


f0147037_2245539.jpg このうち「神に捧げる人形代-小金山神社の事例-」 は、このところ読んだ文章の中ではもっともインパクトあるものの一つです。冒頭の
「はじめはサンスケではないかと思われた」
という一文にひきこまれます。まさに「青森県の民俗」創刊号に所収の「津軽のサンスケ―山村生活における人形習俗の一考察―」が伏線になっているわけです。
 そして調査を重ねるなかで、「サンスケ」ではなく、これまでに例がないものだということが明らかになっていきます。しかも調査するたびにその人形が増えていくのですが、どこの誰が奉納しているのか、目的等も一切不明。
 対象が大昔からの伝統的なものであるわけではなく現代的なものであること。そしてその対象を調査していく過程が活き活きと描かれていること。読み物としても、現場感の濃厚な秀作だと感じました。

岩田書院から発売されています

 by げんぞう
[PR]

by torira | 2007-11-23 22:06 | 資料紹介 | Comments(0)

歌うサラリーマン

夕方5時過ぎ、バスからわらわらと降りてきた中のお一人が、歌いながら坂を降りて行きました。
歌といってもお経なんですこれが!
ブラックスーツの30代、仕事帰りとおぼしき男性でした。
(「般若心経」かな?だとYouTubeで覚えられますよ。)
http://www.youtube.com/watch?v=hLgYwkCE0PE

考えてみると、近頃は人中で歌う人というのが少なくなりました。
一昔前は自転車をこぎながら歌ってる人とか、銭湯で男湯から歌声が聞こえてくるとかいう光景、ありませんでした?

昔といってもだいぶ昔、かつては黙読というのがなかったそうです。
全部がぜんぶ「声に出して読む日本語」。声に出すと言葉に魂がこもって力を発揮すると考えていたといいます。言霊(ことだま)ってやつですね。
いやーそんな昔の感覚わかんないわ、って思う方は、「愛してる」という言葉を声に出していうのと心の中で言うのを比較してみてください。わかるでしょう。
「あのとき愛してると言えば良かった」てな歌詞がよくありますが、「愛してる」と言っていたらその言葉の力によって状況は変わっていたはずだ、という意味でしょう。力を持っているんです、声に出して言う言葉は。
f0147037_2236385.jpg

画像は遠野市の氷口御祝い。男女がそれぞれ別の歌を同時に歌って同時に納めるという不思議な御祝いです。
「おめでとうございます」はやはり口に出して言った方がいいですよね。

 by.事務局MA
[PR]

by torira | 2007-11-22 22:40 | Comments(0)

笑いのツボ

 東北地方の山伏神楽では「木曾」という演目があります。そのストーリーは

・・・木曾義仲という色男の武将がいました。義仲には「巴・山吹・葵」という三人の妻がいます。時は戦乱のさなか、義仲も妻たちも戦に参加することになりました。結果、義仲も山吹・葵も戦死。ここまでが前段で、次からが神楽の内容。生き残った巴は逃走or潜伏中に木曾の僧に遭遇。そこで巴は山吹・葵の奮戦ぶりなどを語り、僧に法要を頼みます。自分はふたたび追手に立ち向かって戦っていく・・・

というもの。です。が、現在ではかなり演出が混沌としています。早池峰岳系の胡四王神楽と幸田神楽では、主役の巴に僧がからんでオニギリを喰うという場面もあって、それが何でだかお客さんの笑いをとるんですね。
f0147037_23173814.jpg さて、生後2ヶ月のRaekwonさんは、ちかごろ何かと表情が豊かになってきました。しかし、笑うポイントがなんなのかはイマイチわかりません。
 ・・・と思いながら、オニギリを喰いながらあやしていたら、笑い出しました。おっ。と思ってじーっと見ると、笑い停止。こちらがまたオニギリを喰うと、笑いはじめる。
 オニギリを喰う光景というのは、人間にとって笑いの根源なのかもしれません。

 by げんぞう
[PR]

by torira | 2007-11-21 23:18 | 芸能 | Comments(2)

近寄ってふれてみる

f0147037_22282331.jpg

11/17の「もっと近寄れる民俗芸能講座」休憩時の画像です。
参加者が近寄ったり触れてみたりしているところ。
アンケートには、このとき鳥甲をかぶってワクワクしたらしい方の感想も書いていただきました。
私は鳥甲にはいつも泣かされてしまいます。かぶり方が悪いらしく、踊っている最中にゆるんで来て非常に困ったことが何度もありました。
会長などの「頭痛がするほどきつく締めるべし」というアドバイスに従うようにしているのですが、締めるだけでなく、鳥兜をかぶる角度、鉢巻きの角度が重要らしいということもわかってきました。が、自分だけがわかったつもりでもダメで、介助してくれる人いかんによって運命が決まってしまいます。
鳥甲、舞う上では非常に邪魔。なぜこれをかぶる事になったのかなあ。
愛用のホンダスーパーカブに乗る場合は西洋甲をかぶります。
そろそろ雪の季節となり、便利なバイクが使えなくなってきました。
困る。雪道になる前に2号を作って、ささっと配本に歩く予定が‥。

by.事務局MA
[PR]

by torira | 2007-11-20 22:46 | 意匠 | Comments(0)

ご来場ありがとうございました!

本日の「もっと近寄れる民俗芸能講座」にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。
遠方からわざわざ来てくださった方もあり、「面白かった」「これからの見方が変わった」という反応を拝見すると、やって良かったなーと思います。さまざまな年代の方に来ていただけたことも励みになりました。
小本街道を走って来てくださった講師、中野七頭舞・山本さんに感謝です。ご自分の歴史に重ね合わせた七頭舞への思いをかみしめながら語ってくださいました。
会長は強力な助っ人、甥っ子のKくんをアシスタントに、神楽の装束を早変わりで紹介、また権現舞の三拍子を披露してくれました。
少数組織の「とりら」ですのでいろんな方に手伝っていただきました。お世話になりました。
たいへん失礼ながら会長は自分のパートが終わったところで帰らせて頂きました。
冷たい人柄のビジネスライクな方ではありません。彼の仕事はまった無しなので、どうぞその辺はお含み置きください。今後ともよろしくお願いいたします。

 by.事務局MA
f0147037_2138111.jpg
f0147037_21383992.jpg

[PR]

by torira | 2007-11-17 21:44 | 催しもの | Comments(2)