カテゴリ:芸能( 315 )

学校と芸能

「岩手は民俗芸能の宝庫」とよく言われますが、その「宝庫」を支えてきたのは何か?という事があらためて気になっています。

芸能に関する岩手県の特色の1つとして、伝承活動が学校ぐるみで行われている例が多い事が挙げられると思います。
データが手元にないのではっきりとしたことは言えませんが、1970年代から地元の民俗芸能に取り組む小中学校が急増したようです。

盛岡市東部の中山間地区にある浅岸小学校の子ども達は、地区に伝わる銭掛剣舞に取り組んできました。
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全校児童5名、今年度で廃校になることが決まっています。
毎年11月に学習発表会と収穫祭を行い、その時に剣舞を披露してきました。今年が最後ということで見学を申し入れお邪魔しました。
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講堂には長く保存してきた学校のアルバムが並べられていました。127年の歴史を誇る古い学校です。
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たぶん森口多里が調査に来たときに撮られたかと思う銭掛剣舞の古い写真。

器楽演奏や朗読などのあと、いよいよ剣舞です。
子ども達は、長刀を持って踊る「七つもん」と、扇踊りの「城まわし」を演じました。
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その後、保存会会員の大人達が「出羽(では)」「二十三」「高舘」を踊ります。
小学校の頃に踊ったことがきっかけとなって続けている若いメンバーがいらしゃると聞いて、内心ほっとしました。

学習発表会の終わりに、校長先生からコメントが述べられました。一人ひとりその子の良いところを誉める。これで子どもは成長するんだな、と校長先生のきめ細かな思いやりに感心するのでした。
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その後は収穫祭。学校近くの田んぼをお持ちの方のご厚意で、子ども達は田植えと稲刈りを体験してきました。そこで獲れた餅米で作ったお餅を皆で頂くのです。

学校が統合になるとこういう地域ぐるみの交流が難しくなります。芸能の伝承活動も何かと難しくなります。学校は単なる教育機関ではなく地域の拠点でもあるのです。

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お母さんたちが作ったきな粉餅とあんこ餅、豚汁と漬け物を、生徒と父兄だけでなく地区の方たちも一緒にいただきます。ここに後輩がいるおかげで私もごちそうになりました。これがお世辞ぬきで本当においしいのです。
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校内には給食室がありました。今、盛岡では全地域を一括する小学校給食センター化計画があるようですが、作り手と食べる顔がお互いに見える自校方式学校給食がいいなとしみじみ感じた日でした。
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銭掛剣舞は、明治時代の中頃、今は宮古市となった川井地区の田代から伝わりました。ここから田代へお嫁に行った方のご縁で銭掛に剣舞がもたらされたそうです。
縁談のきっかけを作った関係は何だったのでしょう?
少し離れた銭掛と田代をつないだのは何だったのでしょうか?
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そんなことを考えたみたのが、新発売「とりら」7号の拙稿「高舘剣舞、馬の古道を行く」です。少しまとまりの悪い文章になりましたが、ご一読頂ければ幸です。
7号は今日から盛岡市松園「ちいさな野菜畑」でもご購入頂けるようになりましたのでよろしくお願いいたします。

 by.事務局MA
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by torira | 2013-11-24 23:03 | 芸能 | Comments(0)

師走の夢

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by げんぞう
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by torira | 2013-11-21 22:18 | 芸能 | Comments(0)

くもてかくなは十文字

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 by げんぞう
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by torira | 2013-11-09 22:34 | 芸能 | Comments(0)

ジャンル名と地名

民俗芸能の団体名は「地名+ジャンル名」というものが多いようです。
団体名そのままで呼ぶこともあれば、「ジャンル名」か「地名」だけを略称として呼ぶケースもあります。

・・・って、何のことかわかりづらいですね。

例えば。
学校の授業やサークルで「民舞」や「太鼓」として民俗芸能に接した人は、「地名」だけで呼ぶことが多い。
 岩崎鬼剣舞→岩崎
 朴ノ木沢念仏剣舞→朴ノ木沢(ただ“朴の木”と呼ぶ人も・・・)
 黒川さんさ→黒川
 三本柳さんさ→三本柳
という具合に。
これらは大抵、地元では「けんばい」「けんべぇ」とか、「さんさ」と呼ぶわけです。
でも、いろいろあるレパートリーのひとつとしてヨソの芸能を見る方には「地名」がわかりやすい。

地元で芸能にたずさわっている方にとっては、地名はあくまでも地名です。
あえて地名を冠するべき地域独特のものなんてヤマほどあります。
だから、
「やっぱり岩崎はすごいですね」
「まあ、ローソンもできて、なんぼか便利になったども。まんつ田んぼしかねくてす」
「・・・え?」
と、かみあわない会話が交わされることもあるわけです。

他県から移住してきた自分にとっては、芸能団体の名称に冠されている地名にワクワクドキドキ感を持つ感性をいかに潰していくかが課題でした。
芸能が多い県であるだけに、その地名にかかわる芸能とは無関係な事柄にどれだけ目を向けられるかにかかっています。
20年近く暮らしてきて、だいぶ成功してきた気がします。

しかしまあ、地名が芸能のジャンル名にとってかわるような存在感を持つことは、もっと昔からあったのかもしれません。
「鹿島踊」が広い範囲に伝わっていたり、番楽の別名に「ひやま」があったりと。
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 by げんぞう
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by torira | 2013-10-11 21:51 | 芸能 | Comments(2)

まんざい!

盛岡市大ヶ生(おおがゆう)に伝わる大ヶ生山伏神楽にはたくさんの演目があります。
その中のひとつ「まんざい」 。
しゃべくり芸ですね。
2人の師匠(1920年代生 2000年代没)から学んだ内容は下記の通り。
長文ながら、あえてご覧いただきたいのは
「どこかヨソでこういうの見聞きしたことありますか?」
を皆様にききたいためです。
情報をお待ちしております。

 by げんぞう

【大ヶ生山伏神楽 まんざい】
太夫と才蔵のやりとり。才蔵は鼓をもつ。「じょうだし」という定型の出だしをやったあとは、その場その場でバカ話をして場を盛り上げるという。どこから伝わったものかは定かではない。

★じょうだし
【太夫】ちょい めでたいぞや めでたいぞ
これ めでたきことの しるしには
おんみの氏神のおりおりに
せんりょうごりぞこれの縁
これからすえふるようというて
後(あーと)なる才蔵 後(あーと)なる才蔵 ちょと下座につめておったか

【才蔵】へへー
わしはコウメイいわがさき オランダ長崎までも知れ渡ったる
この才蔵は 太夫殿には 御用 早うと呼ばわれて
飲むべきものも飲みあえず
食いべきものも食いあえず
鼓の調べもしめなおし スッポコポンとうちならし
ささーい
さらば拍子も任せて♪参りましょいな
テットーテーンーテンヒョロロッ
太夫殿の御礼にはずるずるべえたる かーしこまって候

【太夫】才蔵はこんにちはいつもの粗相と違って早うかったな
【才蔵】太夫さん はよから半ばいおかえなさんせ
【太夫】えんやれ才蔵 早(はよ)くて半ばい遅くていっぱい
かってかわれたものじゃなし
【才蔵】げにまこと げにまこと (鼓をはたきながら)
【太夫】アラ良きところに気がついた
【才蔵】えー 良きところの穴場とは ♪毛がもっさりはえました
【太夫】才蔵や それほどかくしっておるならこの太夫のあとへ
いろいろすいこれしょうとようて下づいて参れ~

~扇を回しながら踊る~
★バカ話 その①
【才蔵】時になっす 太夫さん このづ このごろあそこさウチ建ったっけな
蔵建てたって
【太夫】なんぼの蔵建ったっけ
【才蔵】五間に二間の蔵建ったっけ
【太夫】その蔵の名前は何と言う
【才蔵】その蔵の名前 太夫さん知らねってか
【太夫】知らね 教えろ
【才蔵】その蔵の名前はちょっとかずに教えられね
 その蔵の名前は教えられねけど、五間に三間の槍をしまったず
【太夫】その蔵さ五間に三間の槍入ったずか その槍の名前はなんてそう
【才蔵】その槍の名前は「ウソつく槍」

★バカ話 その②
~ほらふく 才蔵はとにかく「逆話(ぎゃくはなし)」する。太夫は生真面目なので何かてまけて才蔵のホラをしゃべらせる~
【才蔵】北上川を西から見たら東からクジラがあがってきた
【太夫】東からなんで上がってくるってな 西からあがってくるなら話わかる


★終わり方
 最後はとにかく「さかえさこうのいえこそめでたし」と太夫が言って終わる。
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by torira | 2013-09-13 20:50 | 芸能 | Comments(0)

型を見据える

8月20日、大ヶ生高舘剣舞が今宮神社(盛岡市東見前)の例大祭に奉納しました。

ナマで見るのは1年ぶりくらいでしょうか。
足の踏み数を増やしたように見える所作が1箇所。
これは大きい。
これまで
「右足・左足・右足・左足」
と踏んでいたところが、同じ囃子にあわせて
「右足・左足・右足・左足・右足」
となります。
胆沢や和賀の剣舞でいうところの
「デットーデンガラシャンシャンシャン」
と同じようなステップになったわけです。

もともとこの部分は上体の動きとの関係で、ふわりと腰を落としていくように見えるトリッキーな所作です。
踏みが増えることで動きが忙しくなりますが、これまでの味わいは保ちつつ、次の動作にむけた動きがイイ意味で固まるようになりました。
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今回の奉納は大人が来られず、若手だけの踊りでした。
しかし「この型をやろう」という指向性が全体にしっかり感じられ、充実した奉納になったように思います。
「練習んときはダラダラしててどうなるかと思ったけど、本番になるとちゃんとやるもんだ」
指導者のご夫婦も感心しておられました。

 by げんぞう
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by torira | 2013-09-12 20:24 | 芸能 | Comments(0)

いろいろ和な感じ

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 by げんぞう
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by torira | 2013-08-04 18:50 | 芸能 | Comments(0)

飲みすぎ

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きのう奥中山で牛乳2本買ったのに、もう1本なくなってる。
 by げんぞう
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by torira | 2013-07-25 20:41 | 芸能 | Comments(2)

まじる芸能

冊子「とりら」第3号「さんさ踊りと盆踊り」(飯坂真紀)では、さんさ踊りの成り立ちについてふれている箇所があります。
ベースになっている盆踊りに、念仏剣舞,シシ踊り,神楽,七夕の踊りなどの所作が取り込まれて今の形になってきた…というもの。
同じく第3号「盛岡周辺のシシ踊り」(岡田現三)では、盛岡周辺のシシ踊りに念仏剣舞の要素が入っているかもしれないけど、そうでもないかもしれない…ということをあれこれ書いています。
第2号「荒舞とダ・ヴィンチ・コード 鬼面の舞の源流」(吉田隆一)では、いま現在おこなわれている山伏神楽や鬼面をつけて踊る芸能に、呪師の芸能の影響があることを指摘しています。
ほかにも、冊子「とりら」ではこういった「芸能がまじりあう」話がいろいろと紹介されています。


少し前に、ネット上に出ている動画を見て、はたして今後はそういった変化はおこるのかどうかということを考えました。
条件がある方は下記URLの動画をご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=schmCU6-4vg

動画の内容は…とある体育館でブレイカーの方が練習しているというもの。
最初は気付かなかったんですが、どうも奥のほうで見慣れた動きがある。
伝統さんさの練習です。

これだけ近くでそれぞれが練習していても、そうそうは両者がまじることはないんじゃないかなあという気がします。
根拠はありませんが。

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それに比べると昔の芸能の混ざりっぷりはすげえ。

 by げんぞう
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by torira | 2013-07-22 18:39 | 芸能 | Comments(0)

天神さん

湯島天神(東京都文京区)のお祭りに行きました。
賑やかな音がするほうを目指して歩いていくと、和太鼓の演奏でした。
かなりの人だかりです。

しばらくすると、神楽殿では江戸里神楽の松本源之助社中がお囃子を奏ではじめました。
小締め太鼓2つ,大太鼓(兼 鉦),笛の4者が、精緻に組み上げていきます。
江戸から武蔵野にかけての祭り囃子とは違い、音数は少ないながら緩急とりまぜた面白さがあります。
打楽器の技量というのはわかりづらいのですが、雑踏の中でアンプ・スピーカーなしで通る笛の音には感嘆しました。
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しかしお客さんが少ない。
自分が見たのはお囃子の部分のみだったのですが、舞が始まるともう少し集まるものなんでしょうか。
なんとなく盛岡周辺の神楽を思い出してしまいます。

 by げんぞう
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by torira | 2013-06-06 20:30 | 芸能 | Comments(0)