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熱湯たぎる鍋に入れる瞬間に逃走するやつもいて。

 神楽の師匠に昔のことをきいていると、食べ物の話になることがよくあります。食うもんが無いもんだから、今は食べないようなものも昔は食ってた・・・と。しかし、「虫やカエルは?」と話をむけると、たいていは「うーん、ハッタギ(バッタ)だかイナゴだか喰ってらような気もするども、ほんでねえ(さだかでない)」という程度の答えがかえってきます。
 そんなことを「とりら」執筆陣の方に話したところ、「昆虫食」の本を数冊貸してくれました。昆虫食に造詣が深い方が身近にいたとは・・・。

 さて先日、冊子とりら次号にむけてMA-kingさんが田んぼに「はせあげ」の写真を撮りにいくというので、稲刈り終盤を迎えた盛岡市永井の田んぼに同行しました。田んぼに足を運ぶことは別に珍しくないのですが、なんかその日はイナゴが多かったんです。
 せっかく昆虫食の本も借りたしなあ。
 旬の時期を逃して後悔するのもなんだしなあ。
 で、数日考えた末に、イナゴとりをしました。しごとの帰りに通った、田んぼと道路の間のごく限られた面積です。狭いながら、素人の自分でも10分もしないうちに50匹以上を捕獲。
 その後は定番どおり、「一晩置いて、ゆでて、甘辛く煮る」。佃煮の完成です。久々に食いましたが、やはり自分でつくると新鮮なだけに、「殻のパリパリ感」と「甘辛味」のみならず、「身の味」もそれなりに楽しめます。カイコに似た芳香と、加熱が過ぎたカスタードクリームのような舌触りの身です。
 そんなに手間もかかんないし、こりゃあいいなあと思うんですけどね。食料不足の時勢にもあまりこの地に普及しきらなかったのは、やはり食習慣の根深さなのでしょうか。
熱湯たぎる鍋に入れる瞬間に逃走するやつもいて。_f0147037_20235068.jpg

※ゆであがり(味付け前)は、こんな色です
※赤ん坊には、ちゃんと脚と羽根をとって与えていますのでご安心ください


 by げんぞう

by torira | 2008-10-19 20:39 | たべもの | Comments(3)

Commented by MA-King at 2008-10-20 00:19 x
う〜ん、10年前の「大ヶ生縄文まつり」ではイナゴの佃煮、売ってましたけどね。
いやーこうしてみるとエビにも見えますね。カマドウマじゃないですよね。カマドウマには似てないですよね。似てない似てない。(自分に言い聞かせている。カマドウマ、まったく駄目です)
Commented by ぜんまい at 2008-10-21 05:53 x
山歩きをしてると標高の高いあたりに羽根のないイナゴがピョンピョン跳ねてますが、それなら羽根をとる必要がないかもしれません。でも、ビジュアル的にはカマ○ウマ似かも。
Commented by げんぞう at 2008-10-27 20:48 x
その5日後ぐらいに再びとりにいきました。
食っちゃったので。
ところが稲刈りも終盤、夜温が低くなったこともあってか、ほとんど畔にはイナゴの姿はナシ。
来年の秋の楽しみにとっておきたいと思います。

というわけで、ぜんまいさま、羽根ナシ情報どうもありがとうございます。

MA-King さま、カマドウマの味はまだ知らないのでこんど聞かせてください。

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