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送る心

友人が亡くなり、「お仕着せの葬式はご免だ。坊主なんざ呼ばなくていいからな!」という故人の生前の言葉どおりの送りをした。火葬では、喪主は思い出の赤いドレスを着、参会者の一人がプッチーニのアリアを唄った。
一見すると型破りのようだが、声を上げて故人を送る点では、アリアを歌うのも経を読むのも同じである。ふるさと岩手の地域によってはご詠歌やお念仏、神楽念仏というのもある。西洋なら讃美歌を唄うだろう。人は人を送るときにどうしたいか。根本の発想は個々の宗教の教義を越え、深いところにあるようだ。

天井の高い火葬場に美しく響く歌声に、皆しんみりと、でも心満たされるものを感じていた。逝く魂も満足したに違いない。

 by.事務局MA
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by torira | 2008-05-28 17:45 | 儀礼・習俗 | Comments(0)

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