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「青森県の民俗」第5号

「青森県の民俗」第5号(2005.06)
1500円
家の生業選択と労働力-夏泊半島沿岸部漁村における生業の複合から- 小林亜希子
津軽における「九重守り」の受容 山田 厳子
現代の信仰をかいま見る-幸福を求める人々- 石山 晃子
神に捧げる人形代-小金山神社の事例- 石戸谷 勉
青森県南地方のさまざまな観音巡礼 滝尻 善英
■資料報告と問題提起 特集〈下北半島の民俗〉
伝播と交流の視点から-下北特集にあたって- 小池 淳一
子安弘法大師信仰の担い手たち-漁民の交流を背景に-  長谷川方子
青森県から道南への婚姻・漁業などによる人の移動
-茅部郡・山越郡を中心に- 豊島 秀範
下北昔話の結句についての一考察-「一生暮らした」系と新潟地方の関連- 佐々木達司
下北半島に残るオニカガシ習俗について 大湯 卓二
オヤママイリ(恐山参り)と刷り物 大村 達郎
現代の下北半島の民間宗教者 小山 隆秀
青森市大正七年の農家年中行事 三浦貞栄治
弘前学生民俗の会活動について 福島 春那


「青森県の民俗」第5号_f0147037_2245539.jpg このうち「神に捧げる人形代-小金山神社の事例-」 は、このところ読んだ文章の中ではもっともインパクトあるものの一つです。冒頭の
「はじめはサンスケではないかと思われた」
という一文にひきこまれます。まさに「青森県の民俗」創刊号に所収の「津軽のサンスケ―山村生活における人形習俗の一考察―」が伏線になっているわけです。
 そして調査を重ねるなかで、「サンスケ」ではなく、これまでに例がないものだということが明らかになっていきます。しかも調査するたびにその人形が増えていくのですが、どこの誰が奉納しているのか、目的等も一切不明。
 対象が大昔からの伝統的なものであるわけではなく現代的なものであること。そしてその対象を調査していく過程が活き活きと描かれていること。読み物としても、現場感の濃厚な秀作だと感じました。

岩田書院から発売されています

 by げんぞう

by torira | 2007-11-23 22:06 | 資料紹介 | Comments(0)

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