乳と蜜の流るる郷

 糠部(ぬかのぶ=岩手県北中山峠以北・青森県三八上北地方を中心とした地方)の山伏神楽は、団体数も多く、また古い謡本を持つことで知られています。明確に発生源となった団体がどこかということははっきりしませんが、特に一帯に影響が強かったと思われるのが、中山(一戸町)・小鳥谷(一戸町)・江刺家(九戸村)の神楽です。

 その点でも注目される「江刺家神楽」は、現在では高文祭の出場などで広く知られています。現在の保存会長さんは、活動が低迷していた神楽を、昭和50年代に本格的に再開させました。今では小学校・中学校・そして高校生の子どもたちに神楽を指導しています。
「神楽は勝ち負けがあるわけじゃなくみんな対等。お互いに助け合いながらやる中で、思いやりのあるほんとにいい子に育っていく。高校生たちは部活のほかに、『委員会』として神楽をやっていて、限られた時間だけど、集中してとりくんでいる。高文祭に出ると、『何が足りなかったか』『次はどうしたらいいか』と、次の励みになる」
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 会長さん自身はクルミ栽培・酪農・養鶏(採卵)を組み合わせた「立体農業」と稲作を手がける多忙な農家です。
「こうやってやれるのも、農業をやっているから。いろいろやっているから時間はとれないけど、やりくりしてなんとかやっている。自分に残せるものは何もないが、せめて神楽や地域の農業・文化、こういったものを伝えていきたい」
 クルミ畑にある小屋で、すっかり日が暮れるまで熱い思いを伺うことができました。

 by げんぞう
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by torira | 2007-11-11 23:43 | 芸能 | Comments(0)

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