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「青森県の民俗」創刊号

 青森県民俗の会が発行している機関誌「青森県の民俗」の第7号(2007.8)がようやく我が家に来ました。珍しく創刊号から手元に揃えている本であり、内容も“ふるさと岩手の芸能とくらし”に関心のある皆様におすすめのものですので、順を追って紹介していきたいと思います。

「青森県の民俗」創刊号(2001.7)
青森県民俗の会 編集・発行 1500円

津軽のサンスケ―山村生活における人形習俗の一考察― 石戸谷 勉
食生活における主婦の意識に関する一考察 浦谷 尚美
民俗芸能の変容と現在―青森県南部地方の事例から― 長谷川方子
階上町の庚申信仰―庚申塔を中心に―    滝尻 善英
異形のオシラサマ 大湯 卓二
五月節供のイモ 古川 実
ホイドブグロ―八戸三社大祭を門付けから覗いて見て― 古舘 光治


 「青森県の民俗」創刊号_f0147037_23292555.jpg このうち「民俗芸能の変容と現在」では、法霊神楽(八戸市),浜三沢権現舞(三沢市),田子神楽(田子町),南部駒踊り(十和田市),金ヶ沢鶏舞(新郷村),祇園囃子(野辺地町)を事例に挙げ、特に演者と観客の関係について概観しています。

 私が特に楽しく読んだのは、「津軽のサンスケ」。十二人で山に入ると山の神の怒りにふれるとして「サンスケ」と呼ばれる人形を持参する場合がある・・・という言われをもつサンスケ人形の習俗についての考察。調査結果としても面白いし、従来の位置づけだけでは考えられない事例が出てきたことについての考察も、考えさせられるものがあります。

・・・などなど、表紙がとっても専門的っぽそうなので手に取らないでしまいがちな本ですが、自分みたいな一般人にも読み物としてかなり面白い1冊でした。

岩田書院から発売されていますので、全国の書店でお求めいただけます。いや、たぶん在庫もっている本屋さんはあんまり無いと思うので、注文していただければ。

 by げんぞう

by torira | 2007-10-03 23:31 | 資料紹介 | Comments(0)

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