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根曲がり竹の北南

昨日投稿しそこねた、小樽で竹籠を買う話。
小樽の運河周辺といえば、はっきり言って土産物屋ばっかりでうんざり!というのが正直なところ。でも本当の小樽はなんでもないところにも見るべきものがある街です。
行き当たりばったりに道を行ったら、ちょっとステキなお家を発見。牛乳箱があるので一般の民家かと思われます。
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慌てて車をとめてもらい、カメラをつかんで降りたら、ん?目の前は小さな竹籠屋さんだ。
聞いたところ、ジャガイモ畑で収穫のときなどに使うカゴだそうで、へりのところは針金を巻いてあります。工芸品であれば薄くした竹を丁寧に巻いてきれいに仕上げるのですが、このカゴは実用品。一日に何個作れるかが問題で、荒っぽい仕上げの分、値段も安い。
柳宗悦はこんなのは目に留めなかっただろうとちらっと考えてみました。
このご主人が作らなくなれば、その後は作業用竹籠という物は消えてしまうだろうと思うと惜しい気がします。で、買ってしまった。直径35センチで2000円也。

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70代かと思われるこの長谷川竹細工店のご主人は、話す間も休まず手早いスピードで作業しています。ナタの台になる丸太は長い間にこんもりときれいな小山の形になっています。
材料は「根曲がり竹」ということでした。

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ひるがえって岩手のこと。
「竹細工を語る」という薄い冊子が一戸町から出されています。
鳥越で長く竹細工を作ってきた方のインタビューですが、ここで職人さんが「(私は)材料は根曲がり竹を使います。」と言っています。(他の人はスズ竹を使うと言う話もしている)
そして「(根曲がり竹を)北海道から買ったこともありました」という部分も出てきます。
どこかで小樽と一戸がつながっているのかもしれません。
by.道産子MA

by torira | 2007-08-13 21:59 | 意匠 | Comments(0)

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