かっこいい動き

秋田県の広い地域で、三匹獅子舞のことを「ささら」と呼んでいます。
仙北市角館にも数団体があります。
これがまた、なかなかにエグい動きをする
そんなわけで、なんべんか見にうかがっています。

県境をまたぐものの、自分が住む盛岡から角館は案外ちかいものです。
でも、行くか行くまいかは結構なやみます。
ささらをやるのはお盆なんです。
自分のところのお盆行事もある。
盆があければすぐ仕事があるし、神楽のおつとめも控えている。
そんなわけで、毎年なんとなく悶々としながら角館へいきます。

昨年は、8月15日に角館の街中「立町ポケットパーキング」で、夕方から夜にかけておこなわれる「ささら」の披露を見ました。
この会場は、歩行者天国のような広場です。
あたりにはヤキソバなどの露店がいくつも出ていて、それなりに人出があります。
しばらく待っていると、雑踏の奥から「広久内〔ひろくない〕ささら」の一群が歩いてきます。
その歩き姿を見て、
「ああ、来てよかったな。何も悩むことなかったな」
と思いました。

肩から上腕にかけての力が抜けた獅子の立ち姿。
三匹獅子・綾子舞などに共通する、岩手にはあまりない、笛の節廻し。
「獅子と道化役」という奇天烈な仮装の数名を護送するかのような、浴衣着流しの集団。
それらがあわさって、高熱にかかったような頭のしびれを感じます。

しかし必ずしも現地ではそんなに評価されていないような印象もうけます。
何年も前に、広久内ささらの方に
「盛岡から見に来ました」
と挨拶したら
「あ、盛岡…。
岩手っていえば、さんさ踊りとか、鬼剣舞とか…。
自分たちも、すっかり年くってしまって。
もう50代で」
と、えらく恐縮されたことがあります。
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今回も広久内ささらは「狂い」を披露しました。
こういうタイプの演目は、何か解説しようとするならば
「2頭の獅子が、女獅子を奪いあう」
という流れの説明から入ることになることが多いのだろうと思います。。
そういうストーリーも楽しみの一つなんですけど、やっぱり
「動きがかっこいいから見て!」
と思うんです。

下半身だけ倒れていくように小走りで動く所作。
どちらを見ているかがはっきりしている、獅子をかぶった頭の向き。
地面をするような足先の移動。
その足先から動いて、遠心力と体重移動を活かして加速する回り方。
コンスタントにリズムを刻む箇所と、笛・唄にあわせてしっかりタメるところ。

鋭角な所作が続くなかで、とても短いバチどうしを打ち合わせる優しい動きがたまに出てきてアクセントになっている。


そして、頭の動きと手の動きが、常にイイ関係になるようにつくられています。
これはえんぶりと同じ人が発明したとしか思えません。


跳んだりはねたり、力強く地面をふんだりというのとは別な感じがするし、やっぱり観客が大盛り上がりになる感じはありません。
でも、それなりにお客さんは食い入るように見ているのだと思います。
2頭による舞になる箇所で、アナウンスが入りました。
「63歳と64歳の2人が演じています」
ためいきのような感嘆のうめきが、客席からざわざわとあがりました。


当日の動画がyoutubeにUPされています。
ぜひ見て下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=SjvJwQD2JWo


by げんぞう
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by torira | 2016-06-13 19:24 | おまつり | Comments(0)

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