古民家で神楽を

一戸町の旧朴舘家住宅で行われる「神楽公開」に行きました。2011年以来久しぶりです。
朴舘家住宅は、母屋が江戸末期に建てられたとされる岩手県内最大規模の茅葺き民家。
じつはこれから3年がかりの解体・修理が始まるのだそうで、この「古民家で神楽を楽しむ」スタイルもしばらくお預けになるとのこと。
そうとは知らずいいタイミングで来ました。ラッキー♪
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昔風に庭先から舞込みます。高屋敷神楽です。
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最初に般若心経から始まったのにはびっくり!
当日のパンフレットから一部を引用します。

「まず権現様を祭壇にお祀りし、その前で太夫が神々の名を唱え、祝詞をあげて般若心経を唱えます。それから「お神楽」と呼ばれる歌を歌い「岩戸開き」と呼ばれる祭文を読み上げます。(中略)約四十分にわたる儀式が終わるといよいよ踊りになりますが、これにも順番があります。まず権現舞が披露されます。」
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高屋敷神楽の子ども達による権現舞の下舞です。
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その場にいらした方の身固めをした後、権現舞となりました。
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高屋敷神楽独特の「乗り権現」です。権現様に乗っている中学生が幅広い鴨居の向こうに隠れてしまいました。この鴨居だけでも一見の価値ありです。
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女鹿神楽の子ども達による「虎の口」。一番最初に習う演目だそうです。みんな上手でしたよ。将来もがんばってね!
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高屋敷神楽の「三番叟」です。岩手県北の神楽の「三番叟」は、軽快というより激しい踊りになります。力が入った舞ぶりに、となりで見ていた地元の方が「いいね!」とつぶやいていました。
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この日は女鹿神楽の「三番叟」も見る事ができました。2つの三番叟は、基本的には同じように見えても唄の文句などに違いが出ます。もう少し言葉が聞き取れたらよかったなあ。御祝いの言葉ですので。

最後、今日のハイライトは高屋敷神楽の若手による「山の神」です。
IGRの神楽鑑賞ツアー(良い企画です!)の皆さんが、時間のつごうで「山の神」の前にお帰りになったのは残念でした。満員だった座敷に余裕が出来、ちょっと前方に席を移しました。
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まず面を持って出てきて、舞台上で面を付けます。このあたりは滝沢市の篠木神楽などと共通していますね。

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一回り舞って面を外し、太刀やホラ貝を手にして舞います。思いのほか素晴らしい舞手でした。激しく舞うだけでなく、柔らかさ軽やかさを見せる「引き」の舞もできる若い神楽人は貴重です。
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山の神では最後に幣束を持って舞いますが、家が茅葺きだった時代はその幣束を軒に挿し、これをお守りとする習慣がありました。
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「今日は久しぶりに軒に山の神の幣束がささるもようです」という解説を聞き、カメラを構えて待っていると‥。
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あ!ホントに目の前に山の神様が来ちゃった。感激!

一戸町はいわゆる中山間地域です。
日頃、高屋敷神楽の方から「なかなか後継者がいなくて‥」とお聞きしていたのに、この日は20代30代の舞手が活躍していて、どうやって優秀な人材を育てることが出来たのか、人が足りなすぎる神楽の一員としてはぜひ伺ってみたいと思いました。

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軒にささった幣束が、この家を火事から、そして地域を過疎から守ってくださらんことを。40年後には消滅、なんて言わせない。

いつもながら、地域のお母さんたち手作りによるおいしい串餅のおふるまいに預かりました。
ごちそうさまでした。
リニューアルされた朴舘家住宅に会える日が楽しみです。

 by.事務局MA
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by torira | 2015-07-11 11:59 | 催しもの | Comments(3)

Commented by 一八 at 2015-07-12 10:27 x
なぜか、やっぱり神楽には古民家がピッタリですね。
般若心経には「え!」でしたが、権現様と老若男女のみなさんとの一体感はまさに小宇宙。
リホーム記念には出かけてみましょう。
Commented by torira at 2015-07-14 23:07
一八さま
古民家で神楽が見られる機会としては、花巻市の旧熊谷家が上げられますね。大迫の「神楽の館」も古民家仕立てです。くつろいで見られるのがいいです。

一戸は神楽の多い町です。新しい朴舘家が出来るまで3年ありますので、その前に今年は11月22日(日)に行われる一戸町郷土芸能祭にでもお出かけになってみませんか?
県北の神楽が味わえます。会場は一戸町コミュニティセンターです。
私からもよろしくお願いいたします。
Commented by 一八 at 2015-07-15 19:09 x
torira さま

コメントありがとうございます。

江戸末期建築の朴舘家住宅。
当時の生活状況を、あれやこれやと勝手に想像してしまいます。~苦しい生活に、若い二人が
手に手を取って嶮しい峠を越えて行ったとか~

11月の「一戸町芸能祭」には行ってみたいものです。参考にyou tubedeで第36回分を拝見しましたが、なかでも中山神楽「三本剣、虎ノ口」そして「根反鹿踊」には関心アリです。
では。

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