お茶の向こうに海が見える

MAの記事としてはお久しぶりです。
ずいぶん時間がたってしまいましたが11月の話から始めます。

「北限の茶を守る気仙茶の会」の皆さんが主催するイベントに参加してきました。
気仙地方では多くの家で庭の一角に茶の木を植え、自前でお茶を作ってきた歴史があります。
陸前高田のお茶は太平洋側で栽培されているお茶としては北限と言われ、花は通常10月の下旬から11月の始めに咲きます。
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気仙茶の花を愛で、味わって楽しもう、そして陸前高田を応援しようという「気仙茶の花見とお茶会」でした。
個人的にはお茶とお茶の花が好きという他に、お祭り等のときにしか行かない高田の別な面を見たいという気持ちで参加しました。

自家消費用に少し作っているだけの気仙地方のお茶に着目し、震災前から関わっていらしたのが「しゃおしゃん」を主宰する雫石町在住の前田千香子さんです。やがて地元の方とのつながりの中で「北限の茶を守る気仙茶の会」が誕生しました。
この活動を支援する全国からの善意がこの日のイベントにも結晶していました。その経緯などはこちらをお読みください。

東日本大震災は、地震と津波の被害だけにとどまらない災害です。
福島の原発事故の影響を受けて気仙茶は2011年2012年と飲用できるレベルになく、刈り込んで徐染しつつ時期を待っていたのでした。
茶摘みが再開されたのは2013年から。身近なところで原発の怖さを感じる事が出来ました。
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茶畑見学の一ヶ所目は、米崎町のお屋敷でした。屋敷林にはお茶や竹の他にユズもたわわに実っていました。
柿の木と瓦葺きのりっぱな蔵の向こうに広田湾がのぞいています。この蔵も震災で一部がこわれ、壁土がむき出しになっている部分がありました。

次は小友町三日市へ。小友浦を干拓して作られた田んぼ。それに沿って垣根のようにお茶が植えられています。
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津波の際に田も茶の木もすっかり水に浸かったのを、丁寧に見て回ってまだ息のある木を見いだし手入れを続けてきたそうです。大変なことがたくさんあるこの3年半の中で、気仙茶というご自分たちの宝を取り戻していく努力に頭が下がります。
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お昼は「かき小屋 広田湾」090-8784-2114(予約専用)でカキづくし。
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蒸しガキおいしい♪カキご飯・カキ汁おいしい♪参加された方たちとの会話もはずみます。
支援の輪から生まれたこのカキ小屋には全国から集まったボランティアの皆さんが活躍されています。
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カキ小屋から見える海。左側の防潮堤には震災の痛々しい傷跡が見え、右手には今食べた広田のカキ殻(?)が山となっています。
「とりら」6号に書いてくださった田束念仏剣舞の方のお住まいは向かいの方だったっけなと眺めました。被害のあった家を直して住みたいと伺いましたが、未だに仮設にいらっしゃるそうで、復興って進まないものだなあとため息。

食後は気仙大工伝承館に移動して3種の気仙茶を味わいます。
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柔和な笑顔でその場をなごませ、楽しそうに手もみ茶を振る舞って下さった会長さん。
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奥様手づくりのがんづき(雁月)がおいしかった。

副会長さんが紅茶を淹れて下さる。
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気仙地方のお茶はもっぱら自家用として栽培され、商品化しなかったので、結果的に今では貴重な国産在来種となっているのだそうです。

お話上手な事務局の前田さんは緑茶を。生産量の少ない気仙茶ですが、あーもっとたくさん飲みたかった。
神棚に飾られた切り紙も気になります。
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その後も気仙茶の会からは、陸前高田市米崎町の仮設住宅で行ったお茶会の報告が送られてきています。
神様のお年取りのエピソードもあり、民俗の話題に興味ある方には面白いと思いますのでどうぞご一読ください。
こんなふうに聞き取った話を、来年、気仙茶と気仙の暮らしの聞き書き集としてまとめられるそうです。楽しみに待ちたいと思います。

お茶会の会場となった気仙大工伝承館を紹介する余裕がなくなりましたが、ここはどなたにも一見の価値あり!です。カキ小屋と合わせると楽しい一日になりますので、どうぞいらしてみてください。

 by.事務局MA
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by torira | 2014-12-03 14:28 | 東日本大震災 | Comments(0)

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