刃物が出る芸能

さる26日、盛岡市櫻山神社の例大祭で、花巻市東和町・石鳩岡神楽の奉納を拝見しました。
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あっ!刃の先が神楽幕に刺さるぅ〜!
演目はあまり見る機会のない「〆切り」。山伏神楽らしい激しい舞です。
磨き上げられた社殿の床から反射する光がきれいだな、といつも思う。
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年増の女性が何やら恨み言を言ったかと思うと、
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やおら髪を振り乱して刀ごしに畳んだ扇を通わせる。
「機織り」は悲劇。ここは夫の長期不在に心身を喪失した妻が水底で機を織る仕草をあらわしています。
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いつも見応え充分な石鳩岡神楽は新人育成もばっちり。「今の状態ではお客様にお出し出来る舞ではない」と出番を減らされた方がいたとかいないとか。この厳しさが頼もしいですね。

「機織り」の同じ場面、早池峰大償神楽では鞘に入ったままの太刀を赤い布でくるんで使います。
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抜き身だろうが包み隠そうが刀は刀。取り扱い注意ですな。

「しかし今日の写真はなんか良いぞ」と思ったあなたはスルドイ。私ではこれらは撮れません。
はるばる石巻からお越しのこちらの方(東北の小屋にも詳しい)に画像をご提供頂きました。ありがとうございます。

石鳩岡神楽の笛師、どぶろくさんが「覚えている限り桜山さんのお祭りの奉納を休んだことはありません。50年以上になるでしょう‥いや震災の年はお祭りが規模縮小となって行いませんでした。それ1回です」とお話されていました。どぶろくさんは戦後生まれです。

人気演目「山の神」では「(山の神により)わごうのりやく いやましにけり」と唄われます。この日はこの句が耳に残りました。
戦時下に出征兵士を神楽で送り出したという勇ましい話もときどき聞きますが、「和合の利益」と戦意発揚は相容れないと思います。
夫や父の長期不在はどのような大義があっても悲しいものでしょう。
まもなく6月。父の日が来るなあ。

 by.事務局MA
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by torira | 2014-05-28 20:37 | 芸能 | Comments(2)

Commented by kawa-usso at 2014-05-30 07:39 x
大償にも機織りあるんだ―観たこと無いー。面の共通点はやっぱり目が笑ってないてことでしょうか。徹頭徹尾どS。
Commented by 事務局MA at 2014-05-30 22:00 x
kawa-ussoさま
画像ではお世話になりありがとうございました。
「機織り」は上演は少ないですが、その筋では山伏神楽らしい演目とされている節がありますね。

死者たちの目がこわいのは仕方ないでしょう。
救われない女性の妄執はSとかMとかいうよりも、そのおそろしさゆえに悲しみの深さが伝わるのかなと思って見ています。
「鐘巻」も同様ですよね、ケチケチせずにお参りくらいさせてあげればいいのにホントに男どもときたらもったいつけちゃって(ブツブツ)とか。

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