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オソウゼンサンの年越し

神様にはそれぞれ年越しの日があるようですが、盛岡市大ヶ生のオソウゼンサンは12月19日がお年越しです。
オソウゼンサンは、馬を守ってくれる神様です。チャグチャグ馬こで有名な滝沢村(もうすぐ滝沢市)の蒼前神社と同様の神社が大ヶ生には三箇所あり、今日は上大ヶ生の蒼前神社が主人公です。
お宮へは田んぼの背後の斜面を登っていきます。
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「ここらは昭和55年ころまで採草地だったんだから。田んぼになったのはその後」と、オソウゼンサンを管理するカワムワさんが指さします。当時はまだ牛は飼っていなかったそうで、ということは馬がいたのでしょう。
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古来からの馬産地であるみちのく。
じつはここ大ヶ生でも馬産が盛んに行われていました。平地の少ない上大ヶ生では耕作は畑作が中心で、山の斜面は採草地としての役割もあったようです。

当時、東の山を越えて宮古街道の兜神社にお参りに行ったものだそうです。そこにある放牧地で南部馬と西洋馬の交配・繁殖が行われ、近代の馬が生まれて行きました。
そんな近道があったことを教えてくださったお一人が、カワムラさんです。
「オレは家の馬に乗って山をこえて兜神社のお祭りに行ったんだよ」という話を伺って驚いて書いたのが、「とりら」7号に載せた「高舘剣舞、馬の古道を行く」です。読んでいただければ幸です。

午後1時を過ぎるともう一人、お宮に登ってきました。カワムラさんとともに大ヶ生高舘剣舞を担っている方です。
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「これは本家さんが建てたの」「一昨年の大地震ではなんともなかったのに、今年の長雨で倒れたもんやぁ」などと言いながら、倒れてしまった馬頭観音の石碑を建て直しました。明治時代のものです。

お孫さんを連れていつもの参拝の方が来ました。
お宮の前で火を焚くのが習慣です。80代のカワムラさん、まだまだお元気。来年もよろしくお願いいたします。
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来年の干支はウマでしたね。ちょっと馬のことを書いてみました。
とりら7号(500円 , 送料一部80円)をご希望の方はメールでお問い合せください。

 by.事務局MA e-mail: toriratorira@yahoo.co.jp

by torira | 2013-12-19 21:24 | 年中行事 | Comments(0)

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