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菅生田植踊と山屋田植踊を見比べる

「気仙郷土芸能まつり」出演された菅生(すごう)田植踊は気仙地方の数少ない田植え踊りの1つ。よく使われる分類「庭田植えと座敷田植え」でいうと庭田植え型の田植踊りです。
大船渡市の立根町(たっこんちょう)は内陸部の町です。田植踊りの皆さんには震災の直接的な被害はなかったそうですが、お見舞い兼お花をお渡ししてお話を伺いました。
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実際は菅生地区と下欠(したかけ)地区の方々で継承されているこの田植え踊りは、小学校2年〜4年生の女子による早乙女を中心に構成されています。ここでも踊り手となる子ども達を確保するのが課題です。
青年男子が太鼓ぶちを受け持ち、早乙女との二列踊りで見せていきます。

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合間に孫蔵さんが何かと出て来てそろばんと大福帳を見せながら早乙女を励ましたり、旦那様から頂いたお酒を誉めたりします。少子化でこの先が心配だともおっしゃいましたが、少女達の踊りは優雅で達者。よく練習されているきれいな田植え踊りです。

この日のゲストとして、紫波町から国指定の「山屋田植踊」がいらしていました。(とりらのお買い上げありがとうございました〜)

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菅生田植踊りがワラジや草履ばきだったのに比べ、こちらが白足袋のままであることからもわかるように、山屋田植踊は典型的な座敷田植えの芸能です。
ここでも小学校低学年の子ども達による中踊りが重要な役となっています。

しかし、田植え踊りで花となるのはやはり早乙女の踊り。
見るべきは、県央型の田植え踊りには欠かせない早乙女の笠振りです。
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早乙女がはげしく笠を振るごとに客席からおこるどよめき。内陸の人間は心密かに喝采を叫びました。この早乙女を踊るのは若い男性たちだって知ってました?
気仙地方の皆さんは早乙女の笠振りを初めてご覧になる方が多かったと思います。楽しんで頂けたのではないでしょうか。

現在、立根町にはいくつもの仮設団地があります。
被災した大船渡町のホテルがここに再建されるなど、大きな変化が起きていく中、菅生田植踊りがどういう形で受け継がれていくのかが気になります。

 by.事務局MA

by torira | 2013-12-01 22:52 | 東日本大震災 | Comments(0)

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