大浦の霞露ヶ岳神社例大祭

山田町大浦に鎮座する霞露ヶ岳(かろがたけ)神社のお祭りに行ってきました。
このお祭りは、以前は毎年行われていましたが、最近は3年に一度になっています。前回は震災前の2010年。今年、祭を行うかどうかは直前まで決まらずよそごとながら気がもめました。
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宵宮へ向かう大浦さんさ踊り。背後に山田湾がのぞいています。

昨年は、支援によって出来た虎頭のお披露目にお邪魔しました。宵宮の境内には昨年以上の方々が集まって、なごやかな笑顔が交わされていました。奉納を待つ大浦虎舞とさんさ踊りです。
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大浦の芸能は虎舞と大神楽とさんさ踊りだけかと思っていましたが、今回は宮町の手踊り会(八木節などを踊る)が参加されると知って、とりらの募金からお見舞いを差し上げました。町内の芸能という形のためもあって、外からの支援は受けてないそうです。
震災では山車と太鼓を流されたので、太鼓は皮を張り替え山車は今回急ごしらえ。幸い衣裳は残りました。
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宮町の代表の方は、「大浦の祭は皆が参加するから、祭の間はどの家もからっぽだよ」と楽しそうに語る一方、「前回の祭の時に理由もなく幡が落ちてしまって『何も悪いことがなければいいが』と言ったんだが、あれは悪い知らせだったんだなあ」とおっしゃっていました。

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翌朝は約70名の舎人によって神輿が動き出し、渡御が始まりました。地元大浦だけでなく山田方面から助っ人がたくさんいらしています。
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虎舞は頭をぐいぐい押しながら歩いて行きます。
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能面師の方が制作して下さった新しい虎頭。
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御旅所で和藤内が虎をたいらげました。
山田町の虎舞は大浦の虎舞がルーツと言われ、ここから宮古市津軽石へも伝承されています。

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昭和8年の大津波を記録する海嘯供養塔の前で踊る大浦さんさ。

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大浦大神楽は神楽の宿をされていた元代表のご夫婦が津波で亡くなっています。
祭が決まってから大急ぎで作ってもらった山車に、奇跡的に残った獅子頭を乗せて歩きます。
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今は草が茂るここは代表の方の家があった場所。どんな気持ちで踊っていらっしゃるのかと思うと胸がつまります。
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暑いだろうとあおいでくれる子。人の結びつきが暖かく感じられる大浦です。

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大浦は現在の人口は800名、戸数300戸ほどです。震災により33名の方がお亡くなりになりました。港の岸壁にも被害の爪痕が残っています。

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本来であれば御神輿は海に入って御潮垢離をとるのですが、まだお浄めが済んでいないということで海を浄める儀式。
海の水を手桶に汲み、神様にお供えしてからまた海へ還します。
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最後に宮司さんが九字を切りました。(宮司さんの本務である船越の荒神社は、古くは天台宗の寺だったそうです)
いつもは行かないとなりの小谷鳥地区(小谷鳥のことはこちら)にも今回は神輿と三役の芸能が行きました。おそらく同じように海のお浄めが行われたのでしょう。

防潮堤の内側では各芸能がお囃子をにぎやかに囃し立てていました。
いったん止んでいた雨がまた降り出し、私達はここで引き上げました。
大浦の皆様、お世話になりありがとうございました。

 by.事務局MA
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by torira | 2013-09-10 15:33 | 東日本大震災 | Comments(4)

Commented by わたなべ at 2013-09-10 18:25 x
大浦のお祭りでお目にかかったわたなべです。
時間の都合で本祭りは午前で帰りましたが
ここで、後半の様子が見れて良かったです。
すばらしい写真で
自分の技術の無さを痛感してます・・・(^_^;)

自分は、話すのは好きな方ですが
こと、震災とか亡くなった方の話とかは
自分では聞けない性格です。
なので、今回お邪魔しても、大神楽の前の代表の方の事とか
聞かないでしまいました。
(震災の時の詳しい話とか聞いたら、たぶん写真なんか撮れなくなると思います・・・・・自分は)

でも、昨日、自分のブログにアップしたコスモスの花の写真の付近が
前の代表の方の家のあった場所だったなんて・・・・・・・・
これも縁なのでしょうね・・・・・・

この祭り、毎回晴れると聞いたのですが
なんか私が雨を持って来てしまったようで申し訳ない気持ちでした。・・・・(^_^;)

Commented by 事務局MA at 2013-09-11 01:40 x
わたなべ様
この度は、はるばる山形市からおこし頂きありがとうございました。
福島県浪江町の請戸の田植え踊りを応援してらっしゃるとのこと。大浦大神楽のきれいな写真も拝見しました。そういう方に私のピンボケ写真を褒めて頂けるとは恐縮です。

私が使ってるのは EOS Kiss X3というかな〜りお気軽なカメラです(先月までX2だったw)。芸能が好きでメモがわりに写真を撮ってきたのですが、震災後は沿岸の芸能や祭の状況をお知らせするという側面も帯びてしまいました。
カメラを持つとどうしても欲が出て卑しくなりがちですので、その場に迷惑をかけないよう気をつけてるつもりですがどうだろうか‥。

震災のことは聞けないというお気持ちは健全だと思いますし、それでいいのではないでしょうか。

大浦虎舞や大浦さんさの方たちとは震災後に何度かお会いして、芸能について状況をお聞きしました。その中で大神楽の方のことも知ったわけです。
大神楽が活動を再開されたことは、亡くなった方への慰めになっただろうと思います。
機会がありましたらまたどうぞ岩手の海の祭を見にいらして下さい。
Commented by やま at 2013-09-11 08:03 x
このブログ内にある 神楽の宿をしていた夫婦の孫です。祖父母もとても喜んでいると思います。本当にありがとうございます
Commented by 事務局MA at 2013-09-11 21:50 x
やま様
血縁の方がこの記事をご覧になってコメントを下さるとは思いもかけませんでした。うれしい驚きです。あらためて震災のお見舞いを申し上げます。

当初、大神楽の再開はしばらく無理かもしれないと伺っていましたので、今年のお祭りに参加されるまでには関係者の皆様の非常な努力があったことと思います。貴重な場面に立ち会わせて頂き、ありがとうございました。

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