親の背中

伝統芸能。
「先祖代々」なイメージですよね。
とにかく世襲によって伝えられている…と。

岩手県の民俗芸能もそうなのだろうと思っていました。
しかし色々な団体の話をきいていると、必ずしもそうではない場合も数多くあります。
といって「誰でも参加していいよ」という雰囲気が満ち満ちてるというわけでもない。
むしろ、たとえばこんな感じ。
「50軒ぐらいの集落のなかでおこなわれている芸能だけど、実際はそのうちいくつかの小字がまとまった20軒ぐらいが参加する。その中で『祖父・父・子の三世代が参加する家』『ジサマと孫はやっているけど、オヤジはやってない』『いまの代になってからは参加してない』などのケースがまじっている。で、構成員は十数名」
…と。

だから、
「親の背中を見て育つ」
といった美談に出くわすことがそんなに多くもなかったりします。

じゃあどのように習うのか。
早池峰系の神楽で“師匠となる別の家の人のもとに通って習う”というケースがあることを、複数の研究者がとりあげています。
これもなかなかイイ話だなあと思って目にしていました。

「世襲」にせよ「師匠に入門」にせよ、なんだかカッコいいなあ。

ところが、自分が見聞きすることの多い盛岡周辺の場合は少し違っていて、どうも…。
それは「数年~数十年に一回、一斉に若い者が入門する」というもの。
いま話をきける古老が、戦争による中断と戦後の再興についてよく覚えているため、こういったケースが目立つということもあるでしょう。
でも、どうもそれだけではない。
座敷田植踊や念仏剣舞などは上演機会が十年以上もあいたりする場合があり、これにあわせて「一斉に入門」があったようです。
このへん、“相伝式”や“大乗会”“だいじょうびらき”といった世代交代の儀礼が存在することにも関わってくるのでしょう。
用語や儀礼の様子からして“古代”“始原的”なイメージが付会されていますが、実態は村請制を中心とした近世的な地域組織の更新が背景にあるんだと思います。

たぶん地域・ジャンル・時代ごとに傾向があると思いますので、そこに焦点をしぼって追ってみると、楽しいんだろうなあと感じてはいます。
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そんでもって、うちの1歳児は親の背中見てなんだかいろいろやってます。

 by げんぞう
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by torira | 2013-07-19 19:41 | おまつり | Comments(0)

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