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「東北の伝承切り紙」

メリー・クリスマス! 
そして来週はお正月!お正月は注連縄、お供え、そして切り紙でしょうやはり!

伝承切り紙、と呼ばれる物がすごく好きなんですね。祭や芸能で使われますが、東北ではなんといってもお正月が切り紙の一番の出番ではないでしょうか。

切り紙の中でも特に「網紙垂(あみしで)」と分類されるタイプの切り紙(オカザリ、という事が多いようです)が好きで好きで、だいぶ前から資料を集めてきました。
10年ほど前には、本を見ながら自分で切ってみた各地の網紙垂タイプのオカザリ(切り紙)を、画廊にたくさん並べたこともありました。
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先日kawa-ussoさまから教えて頂いた本の表紙になっているのが、その網紙垂型のオカザリです。
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「東北の伝承切り紙」千葉惣次・著、大屋孝雄・写真 
平凡社コロナブックス 1800円 2012年9月発行


画像でこの本の後ろに写っている「祈りのかたち 宮城の正月飾り」という大著が2003年に出たとき、「仙台藩の切り紙の決定版」と思いました。
しかし、その8年後に大震災が起きて、見事な切り紙を切っていらした沿岸の神社や神社関係者の方々が大きな被害を受け、実態が変わってしまったことは改めて言うまでもないことです。

それぞれの切り紙の神社はいったいどうなったのだろう、あの技術を持つ方々はご無事なのか?氏子の皆さんは?
オカザリを飾る正月が近くなって来ると、改めて気になっていました。

「東北の伝承切り紙」62ページは、宮城県三陸町志津川の上山八幡宮の切り紙です。
解説文の一部をご紹介します。
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「‥津波で住まいが全壊し、工藤さんは周辺の町の仮設住宅に移ったが、オカザリ(切り紙のこと)の製作は続行している。大津波にまるごと洗われた住まいの、二階の机上に出してあったオカザリの「型紙」は、奇跡的に(中略)全くダメージがなかったという。」
はぁ〜‥。なんといっていいか。

他にも被災しながら切り紙を作り続けていらっしゃる神官さんが紹介されています。
この美しく愛しくりりしい切り紙が、来年も皆さんのお正月を彩ってくださいますように。新しい年を歩む力になってくれますように。

この本の指摘にあるように、特色ある豊かな切り紙の分布範囲が岩手県南〜宮城県の旧伊達藩エリアに重なっているのは確かです。
しかし他の藩や他県にも切り紙はありますので、私が出会った南部領の切り紙を2,3点そえてみましょう。
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北上市の和賀大乗神楽「荒神」の幣束と、舞台を飾る十二支の切り紙。
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盛岡市櫻山神社の茅の輪についていた、南部さんの御紋の切り紙。
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岩手県北の小さな町、軽米町の小軽米えんぶりが「おそうどめ(お早乙女)」の踊りで使う網型の切り紙。

「とりら」で切り紙について書きたいとずっと思っているのに、次号もまた別のテーマになってしまいそうです。

 by.事務局MA
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by torira | 2012-12-25 21:34 | 資料紹介 | Comments(2)

Commented by ブリ森のらこ at 2012-12-25 23:23 x
美しい模様ですね!
もしかして棟方志功さんの絵の中にも使われていませんか?
とりら切り紙特集、是非お願いします。

「紙垂」(シデ)ってこういう字なんですね。
木のシデ類の果穂も、お飾りに似て垂れ下がっているので、
こういう名前なんだ、と納得しました。

タウンニュースの記事、ご掲載いただきありがとうございました。


Commented by 事務局MA at 2012-12-27 00:57 x
ブリ森のらこ様、いつもありがとうございます。
さすが森作りの方は植物の名前がすぐ出てくるんですね。
切り紙についてはいつか書いてみようと思います。気長にお付き合いくださいませ。

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