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船越半島 復活*大浦の虎舞

山田町船越半島の大浦地区漁村センターの敷地にある、昭和8年三陸大津波の大海嘯記念碑です。
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もとは今より低いところに設置されたのが、昭和33年のチリ地震津波で被害に遭い、ここへ移されたのだそうです。改めて、津波は確実に繰り返される天災なのだと知りました。

去年の今頃は、「海辺の民俗芸能は、震災後まもないにもかかわらず立ち上がって住民を励ましている」と驚きとともにあちこちで紹介されていました。
しかし、当然のことですが、すべての団体がすぐに活動を再開したわけではありません。

大浦虎舞は、木で出来た虎頭を使う古風な虎舞の一つです。
横浜在住の古典芸能実演家が中心となった支援に基づき、能面師の岩崎久人さんが虎頭を制作して下さいました。いきさつはこちらをどうぞ。
かっこいい虎頭で見ほれちゃいます。(ちゃんと口が開くんですよ。牙が見事)
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すべてを流され、しばらくは活動再開の見通しもたちませんでしたが、震災からほぼ一年半が過ぎて今日はその初お披露目。私自身とても楽しみにしていた日が来たのです。霞露ヶ岳(かろがたけ)神社にはたくさんの人が集まっていました。

虎頭の魂入れを無事終えてその報告と支援の紹介をして下さっているところです。(少額ですが、私たち「ふるさと岩手の芸能とくらし研究会」の募金からもお贈りしました)
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虎登場。この後に和藤内が虎を退治をしてしまいます。
その後、小学生とそれ以下の子ども達が「刺し鳥舞」を踊ります。
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「刺し鳥舞」は、「鳥刺舞」という名称で全国的にも広く踊られている祝福芸に連なる芸能です。
大浦では踊りより口上がメインになっているのも、原型に近いスタイルと思います。
しかし、あのわけわからん長台詞をちっちゃい子達がよく覚えるもんだ。えらいなー。
この日のため首都圏から急ぎ戻った大浦出身の青年がバチを握っています。
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日が傾くにつれ、境内にはますます人が増え、皆にこにこ顔で虎舞を見守っています。
震災後、こんなに人が集まったのは初めてとか。
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まだまだたくさんの問題が待っていると思いますが、この日の幸せオーラで本当のお祭りも実現させてください。
okuderazekiさんが動画をアップされていますのでこちらもどうぞ。

 by.事務局MA

by torira | 2012-09-10 22:47 | 東日本大震災 | Comments(0)

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