大念仏剣舞が来ました

「剣舞」「けんばい」とよく言いますが、「念仏剣舞」と「剣舞」は違うのか同じなのか? と思った方は私だけではないでしょう。

「岩手県民俗芸能誌」を書いた森口多里はその中で、念仏剣舞を
「一、大念仏系 二、阿修羅踊系」に分け、
さらに「阿修羅踊系」を
「(一)仮面をつけない阿修羅踊り系念仏剣ばい 
 (a)脱ぎ垂れの念仏剣ばい(県北地方) 
 (b)鎧剣舞(県北地方)」と
「(二)仮面をつける阿修羅踊り系念仏剣ばい 
 (a)いわゆる鬼剣ばい(県南地方)
 (b)仮面を付ける鎧剣ばい(南陸中海岸地方)」とに分類しました。
   鬼剣舞も高舘剣舞もひとしく念仏剣舞ということになります。
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今日は、盛岡市の永井大念仏剣舞が多賀神社のお祭りに招かれて踊りました。
「大笠」があるのが「大念仏剣舞」なのかな?と思っていたのですが、同じような芸態でも上鹿妻のは「上鹿妻念仏剣舞」と「大」がありません。
じつは永井でも戦前まではたんに「念仏剣舞」と自称し「大」は付けてなかったと「岩手県民俗芸能誌」に書かれています。
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「大念仏」は「大勢が声をそろえて念仏をあげること。もしくはその法会」の意味だそうです。
「ー彼ら(遊行聖)が唱導する大念仏に伴う踊り念仏は、あるいは大衆勧化の方便でもあったろうが、岩手の地には念仏踊りの一形態として特徴的な念仏剣舞が成立し、その展開を見た(後略)」。小形信夫「念仏剣舞 発生・伝播・変容と資料」より
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こちらは高舘剣舞の一例として。盛岡市の大ヶ生高舘剣舞です。
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by torira | 2012-09-02 23:37 | 芸能 | Comments(2)

Commented by abe takeshi at 2012-09-03 20:04 x
ケンバイ 剣舞 反閇 ケンベエ・・・書き物や語りに剣舞は「反閇」がなまったもので剣の踊りではないと言われますが本当だろうかと何時も思ったりしています。反閇が一般用語として定着するにはイマイチ疑問が残るんですね。剣をてにして踊る芸能は神楽~鹿踊までたくさんありますね。剣を持って農民は踊れなかったのではないだろうか。山伏は帯刀していたから験力を刀に込めて信仰へと結びつけたのかも知れないが、庶民はせいぜい木刀ぐらいだったのかな・。七ツ物など採り物として使ってますね。もっと調べてみようっと。
Commented by 事務局MA at 2012-09-05 20:43 x
阿部さん、よく「反閇」が変換できましたねー。「へんばい」が「けんばい」になったのなら、「念仏剣舞」という用語の成立はなかったのではとも思ったりします。

関係ありませんが、不思議な名称の芸能として、鹿児島県に「せっぺとべ」というのがありますね。泥だらけになって跳ねる部分が有名ですが、鎌を持つ踊りもあって「太刀じゃなくても武器になりそうな物なら何でもいいのか」と思ったり。

あと「へとまと」とか「そらよい」とか、九州には意味がはっきりしない面白い名称のお祭りがたくさんあるみたいです。
それに比べたら「けんばい」なんて・・漢字が当てはめやすいのでかえって意味が混乱するのかなー。

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