語りと謡い

古典芸能の中には、役者ではない者が脇でセリフや情景を語ったり謡ったりするものがあります。
私たちがふだん目にする演劇やテレビドラマでは、役者が自分のセリフをしゃべっていますから、こういった古典芸能の演出には違和感を感じる方も多いかもしれません。
しかしこの仕組みに体が慣れると、独特の感触を味わうことができます。

北東北の芸能でも、そういった場面に出会うことがたびたびあります。

三匹獅子で、脇にずらりと並ぶ唄方。
山伏神楽の武士舞で幕裏と胴取が掛け合う謡。
これらは、踊手・舞手の抽象的な所作に詩がかぶさって彩りを深めます。

あるいは人形芝居。
地方の人形芝居は謡・囃子が廃れてしまっていることがよくあります。
それでもテープ音源が描く世界に、飲み込まれてしまう。
人形というピンホールを通して映しだされたかのような粗い像なのですが。
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ご希望の食べものを与えられて喜ぶ梵さん。
「これや、これ。
わがでよう取らんきに。
待っとったがな」
ツレがセリフを入れます。

 by げんぞう
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by torira | 2012-07-06 20:03 | 芸能 | Comments(0)

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