現況報告12 釜石の錦町虎舞

28日の「もりおか郷土芸能フェスティバル」に特別出演された錦町虎舞(錦町青年会)さんのお話です。
お会いしてみると、会長さん始め皆さんほとんどが30代の方々でした。衣装道具は、数年前に保管場所を高台に移しておいたために無事でした。提灯や半纏の被害があったので、岩手県の助成金を申請することにしたそうです。
「震災前から深刻な後継者難で、自分たちが一番若いメンバー」とのことです。
釜石も芸能団体が多いところですが、新日鐵の撤退以来、人口減少に歯止めがかからない悩みに今一層の拍車がかかることになります。
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「震災で町がなくなってお通りも門ぶち(門打ち)も出来なくなった」という言葉になんと言っていいかわかりません。
「でも虎舞はやる。やめるわけには行かないからね」と高木会長さんはおっしゃるのでした。
今までたくさんの被災団体の方にお会いしましたが、皆さん異口同音に「‥だからといって止めるわけには行かない」とおっしゃいます。
感動すると同時にいろんな気持ちが入り交じりつつ、私にはこういう覚悟が足りないなあと反省しました。

「虎舞は、好きだからやってるというのもあるけど、それだけじゃない。
一番大事にしている事は、釜石まつりで尾崎さま(尾崎神社)に詣でて神様のお供をすること。船で湾をまわったりして海上渡御をする町はいくつもあるけど、船で神様をお迎えに行ってお祭りの後またお送りするのは釜石だけ。
今年の釜石まつり、もし神事だけでもやるなら虎舞はお宮に行く。だって(それが)お祭りだからね。
だけど船がね‥。みんな肝心の船がないからね。。
オレたちは船があるけど、自分たちだけ乗って行くわけには行かないし。どうすればいいか」。
神様に関わることをとても大切にしている。それも自分たちだけじゃなく皆で関わることを大事に思っている。すごいですね。
初めて、しかも突然お会いしたのにも関わらず、ていねいにお話を聞かせてくださった事に感謝です。

たくさんの方から募金にお気持ちを寄せて頂いていますが、この機会に沿岸のくらしのこと、その芸能にたずさわる方々の考え方や気持ちについても、よりいっそう関心を寄せてくださることを願っています。

 by.事務局MA

「錦町虎舞:釜石市無形民俗文化財。釜石市内の虎舞の中でも重厚で内容豊かな代表的団体。かつては門前虎舞と称した。虎頭は大正期に張り子製に変化し、舞が活発になった。刺鳥舞、狐穫り、おかめ漫才、御祝、甚句等も伝承。」もりおか郷土芸能フェスティバルの案内チラシより転載。
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by torira | 2011-08-29 22:54 | 東日本大震災 | Comments(0)

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