春に送ることば

長いお葬式でした。その中で読み上げられる弔辞は、どれも心のこもったもので故人の人柄が忍ばれました。

土沢神楽の代表が急逝してしまったのです。ご本人もじきに退院するつもりだったのに、と皆さんがおっしゃっていましたが、容態が急に悪化して。
大きな体、大きな声で太鼓を打ちながらかけるその歌声は、聞く者に神楽への信頼感と威厳、そして暖かさを感じさせてくれるものでした。そういう存在の方だったと思います。

よその土地の人間である私にとって興味深かったのは、数々の弔辞のほとんどが、神楽衆としての彼へのはなむけだったことです。これはその前の同神楽代表の葬儀でも同様でした。その人間を送る時に、職業ではなく芸能者としての面が尊重される事に、正直この土地ならではの驚きと感動を覚えます。弔辞だけでなく、会葬御礼の奥さまの言葉も肉声の感じられることばで「神楽を愛し神楽と共に歩んだ人生でした」と心をこめて綴られていました。ここでは、神楽はたんなる歌舞音曲の域を超えて、地域の人々をつないでいるのです。それこそが民俗芸能と呼ばれるものの定義ではないでしょうか。

参列者はお寺の堂内に入りきれず、日差しと小雨が交互に来る中、戸外で耳をすませて弔辞に聞き入りました。その寺の上を、大きな音を立てて沿岸からのヘリコプターが飛んでいきます。
合間には、すぐ近くの中学校で行われている、玉入れ競技の太鼓と歓声も聞こえていました。今日は春の体育大会なのです。
花巻市東和町の成島の毘沙門まつり全国泣き相撲は、例年通り5月3日(火・祝)〜5日(木・祝)に行われます。桜もGW中はちょうど見頃でしょう。どうぞお出かけください。

 by.事務局MA
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by torira | 2011-04-29 23:49 | 芸能 | Comments(0)

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