口承文芸の変容

 民話は採取できるものの数が減ってきており、今後は文字化された資料の比較検討が研究の主な部分となるのではないか。という趣旨の文章を目にする機会があります。確かに、いわゆる「民話」を口頭できく機会というのはめっきり少なくなりました。

 さて、世の中には
「お父ちゃん。紙芝居読もうよう。絵本読もうよう。お父ちゃん。お父ちゃん。お父ちゃん」
と毎晩せまってくる人がいます。ところが、視覚情報を与え続けると、なかなか寝ないんです。こっちも早く寝たい。そこで、電気を消して、子守唄なりお話なりをしてやることになる。

 というわけで、いまでも口承文芸の役割というのはしっかりあるわけです。いわゆる「民話」ではないかもしれないけど。






 ところが、話す側が、あんまり覚えてないんです。

 まず「桃太郎」ね。キビ団子をくれてやるあたりまではいいんだけど、犬猿雉の活躍ぶりがよく思い出せない。「そしてから、まず、ほれ、うーん、なんたにかして、鬼を倒したど。どんどはれ」。

 あと「カチカチ山」とか、ひどいのな。ウサギの仕打ちのドぎつい感じは印象にあるんだけど、そこに持っていく口車の巧さがどうも出てこないの。「なんたにかして、マキしょわすのよ」「なんたにかして、カラシ塗ったくってす」「なんたにかして、泥舟さ載せだど」。

 なんたなことしても、寝てくれません。
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 by げんぞう

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by torira | 2011-03-09 22:09 | お役立ち情報 | Comments(3)

Commented by ずこうのせんせいMA at 2011-03-09 23:55 x
今時の子どもたち40人に聞きました。
「桃太郎のお話知ってる人は〜?」・・まあ半分くらい手が上がります。
「かちかち山は?」しーん。「花さかじいさん?」しーん。「(後は何言っても同じ)」。みんなで昔話の紙芝居を作りましょう、というお題だったのですがその場で予定変更したことがありました。
お父さん、よろしくお願いしますよ。
Commented by もり at 2011-03-10 01:30 x
話を聞いて、お休みになったでは、ありませんか。

民話は、戦後教育の悪弊ですね。
今は学校で教えないと、だめな時代です。基本的なしつけも学校におしつける親も、いるくらいですから。
Commented by 一八 at 2011-03-10 20:41 x
今は亡き父が、憤慨しておりました。
孫に「むかしばなし」をしておりましたら、しばらく「じ~っと」聞いておりました孫が、「ば~か、ばかし~い」と布団から出て行ったとのこと。
その孫は「サンダーバード」に夢中でした。
その孫も今は一児の親です。

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