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いろいろ

 「ふるさと岩手の芸能とくらし」・・・やっぱり、「くらし」あっての芸能だなあと思うんです。で、「どんな人」が「どんなくらし」をしてたのかが近頃すごく気になるんです。
 「どんな人」について言うと、神楽は山伏や神官さんが、鹿踊はお侍さんがちょこっと関わっていたようです。それはさておき、やっぱり「お百姓さん」の関わりが大きいようなんですね。
 だけど、同じお百姓さんの中でも「旦那さん」とか「ホンケの長男」とか、いろんな立場があるんだなあ・・・ということを、芸能との関わりでも感じることがよくあります。

 そんな「お百姓さんたちにどんな立場あったか」を見て行くうえでポイントとなるひとつが、「地主小作制」「名子(なご)制度」だったりします。でも、このblogでもなんとなく触れられている安代の名子制度と、岩泉の名子制度はなんだか雰囲気がちがっていて、どうもよくわかりませんでした。

 そんな名子制度について、6つのパターンを挙げているものを最近になってようやく目にしました。
 「①郷士的家人名子」
 「②血縁的家族名子」
 「③奉公人的譜代名子」
 「④契約的借金名子」
 「⑤社会的救恤名子」
 「⑥宗教的寺内名子」
・・・“なんだ、名子っていろいろあるんだなあ!”と納得です。この分け方が正解かどうかはわかりませんけど、上にあげた安代のケースには「③」、岩泉のケースには「④」が多いようです。
 そういえば現場で「だれが地主で、だれが小作?」という聞き方をしても「おらほではあんまそういうのはねーなー」という答えで終わっちゃうことがこれまでありました。でも、「だれがだれの仕事をスケにいってたの?」ときけば、また違った答えがあるのかもしれません。お金だけの関係じゃない、「スケるスケられる」の関係に要注意なんですね。
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 詳しくは、森嘉兵衛著「日本僻地の史的研究 -九戸地方史」(1982 法政大学出版局)を見てね-☆

 by げんぞう

by torira | 2009-09-07 22:26 | 昔のくらし | Comments(0)

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