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池田弥三郎「芸能」

池田弥三郎「芸能」_f0147037_19123193.jpg民俗民芸双書 1
「芸能」池田弥三郎著
1966年 岩崎美術社 刊
定価750円
~目次~
 日本の舞踊
 芸能の観客
 昔男に移り舞い
 信州遠山の霜月祭り
 歌舞伎の諸相
 琉球の舞踊
 陸中岩泉のしし踊り


 折口信夫の直系を自認する著者が、中央・地方の芸能について書いたものを収録しています。芸能史と時評という2つの面が特徴です。
 「信州遠山の霜月祭り」では、「同じ祭りが地域ごとに日を違えて行われる問題」について分析しています。折口が花祭り研究で指摘している「芸能団の旅行」という説にいたるプロセスが、緻密に展開されています。
 「陸中岩泉のしし踊り」は昭和10年の採訪記録。剣舞・しし踊り・大念仏から構成される「しし踊り」の、盆前後の様子が詳細に記録されています。芸態のみならず、施餓鬼棚・高燈篭の設置についてや、有力な家との関わりなど、全体像にも目が向けられています。「岩手県民俗芸能誌」などにも記録されていない貴重な事例です。

 by げんぞう

by torira | 2009-05-27 19:11 | 資料紹介 | Comments(2)

Commented by 一八 at 2009-05-28 19:02 x
お世話様です。
「しし踊り」に惹かれて「民俗民芸双書」を検索しましたが古書店からしか手に出来なさそうです。 「民俗民芸双書」の各表題には魅力ある内容ばかりですね。

岩手日報社発行「いわての郷土芸能」に「釜津田鹿踊り」がありますが「陸中岩泉のしし踊り」とは関係はないのでしょうか。
ブログなどによると魅力ある「鹿踊り」のようで、機会があれば拝見したいものです。
Commented by 事務局MA at 2009-05-28 21:25 x
岩泉のシシ踊りはどこのも掛け値なく素晴らしいです。
しかし強調したい点は「剣舞・しし踊り・大念仏から構成される」というところ。
岩泉の町から少しはずれる二升石の鹿踊りの皆さんは「大念仏がなかなか復活できないんだよねー」と言い、安家の鹿踊さんは渋くていいのですが、毎年8月に行われる岩泉町郷土芸能祭の時に「今日は剣舞だけやります」という前置きで剣舞だけ披露します。
安家鹿踊りのフルバージョンが見たいっ!

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